
初めて・・・
なんて素敵で、胸がキュンとする響きなんでしょう・・・。
9月9日に暁庵社中のKさんが初めて茶事の亭主デビューをします。
半東も水屋もお客さまも社中の方、その上、暁庵が正客では稽古茶事になってしまいそうです。
せっかくの亭主デビューの茶事なので良い意味での緊張感を持って頑張ってほしい・・・と思いました。
それで、お正客をS先生の東京教室の先輩Oさまにお願いしました。
すると、
「私でお役に立つなら喜んでお引き受けいたします。
私も 初心に戻り初心者の正客で お勉強させて頂きたいと思っています」
・・・快諾してくださり、もう感激でした!

Kさんは暁庵が正客と思っていたのでびっくりしたようですが、潔く覚悟をきめてくださいました。


京都・法輪寺のかわいらしい茱萸(しゅゆ・ぐみ)袋
(重陽の節句の日に購入できる延命息災・不老長寿のお守り)
8月半ば、Kさんから巻紙の素敵なご案内が届きました。
秋風葉正飛
江上逢重九
人世幾登高
寂寞黄花酒
この度 葉を落とす秋風が待ち遠しい
九月九日に重九の茶事を催します
日頃お世話になりご交誼頂いている皆さまのご健康とご長寿を願いながら
御茶一服差し上げたく 謹んでご案内申し上げます
お忙しいとは存じますが ご来駕のほど心よりお待ち申しております
初めての亭主で行き届かないことも多々あると思いますが
どうぞ皆様のお力をお借りしたく 何卒宜しくお願い申し上げます
平成三十年葉月吉日 Kより
きっと今頃は胸をドキドキさせながら明日の茶事の準備に励んでいることでしょう。
その努力する姿を見ていると、初めて・・・のピカピカが素晴らしく、羨ましくさえ思えます。
Kさんの茶事の様子はあとでゆっくり書きたいと思いますが、
某茶事の会で暁庵が初めて亭主をさせて頂いた時のことを思い出しました。


十数年前の10月、名残りの茶事でした。
初めての亭主をバックアップするべく、半東も水屋2名も全てベテランさんを配してくださいました。
そして水屋担当の先輩から
「私たちが水屋のことはバックアップしますから、安心してご亭主は茶席の中とお客さまに專念してくださいね」
・・・そのお言葉がもう涙が出るほど嬉しくって、他のことは朧でも鮮明に覚えています。
そして、本当に何から何まで気持ち良く茶事を進めることができました。
「いつか私も、このように半東や水屋を務められるように茶事に励もう!」と感謝感激しながら秘かに思ったことでした。
某茶事の会での経験がその後の茶事の基本になり、良き師や先輩方とのお出会いが力になりました。

さて、Kさんの茶事では、お正客Oさまを始め、次客Kさん、四客Tさん、詰のN氏がそれぞれの立場でKさんを応援しています。

半東はUさん、水屋はFさんです。
お二人とも一生懸命Kさんをサポートしてくださると思いますし、
多少ハプニングがあっても亭主、半東、水屋の三人で力を合わせて、茶事を遂行してくださることでしょう。
一人ではできないことも力を合わせると、より大きなものが得られると信じていますので・・・。
さて暁庵は三客で左団扇(?)ですが、我が家でしますので懐石料理をお手伝いさせて頂きます。