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Channel: 暁庵の茶事クロスロード
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3人のお客様を迎えて

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    わが宿に咲けるふじなみ 
        立ち帰り過ぎがてにのみ 人の見るらむ   (古今和歌集 躬恒)

4月29日、若葉を渡る風が心地良い日に3人のお客様をお迎えしました。

暁庵の茶道教室の生徒さんで見学にみえられたFさんとAさん、
もう一人は京都の茶友Sさん、五島美術館の茶会後に寄ってくださったのです。
初炭手前をしてから薄茶一服差し上げたい・・・と思いました。

八畳の茶室(稽古場)の床に
「喜 無量」  (前大徳 教道書)
茶事や慶事の時に幾たびか掛けたお軸ですが、
初めての生徒さんを迎えた歓びは何とも言えず、感無量でした。

床の花は、庭に咲いていた鳴子百合と紫蘭をガラス花器に入れてみました。
唐銅道安風炉に二文字押切の灰形を整え、波文尻張り釜(畠春斎造)を掛け、旅箪笥を出して、京焼の水指と絵唐津の薄器を合わせてみました。

                  

風炉の茶事で一番悩ましいのは、炭手前の後、短時間で湯が沸くかどうかです。
何度も失敗をしているので、今回は次のことを試みました。
2時間前に下火を多めに入れ、湯を釜半量入れて掛けておきました。
こうすることで風炉も灰も十分温まり、釜を慣らすことができます。
お客様の来庵直前に釜の湯を捨て、湯に水を3分の1入れ、下火を整えました。

1年ぶりの初風炉・炭手前は清々しく、気持ちも新たに月形を切りました。
香合は淡々斎好みの鯉のぼり、ほのぼのとした味わいがある香合です。

初炭が終わってから洋間へ移動し、椅子席でいろいろお話をしました。
きっと緊張していたのでしょうね・・・何をお話ししたのか覚えていないのです。

丁度1時間経った頃に湯が沸いたので和室へ戻り、薄茶を差し上げました。
主菓子は銘「藤浪」、紫・ピンク・白の咲分けにし若葉の緑をのせたきんとん(暁庵製)、茶は「松伯」(小山園)です。
干菓子は京土産の柚子琥珀(永楽堂)と、ハワイから飛んできた蝶々(雲平 by Sさん)

薄茶を飲んで頂いている頃にSさんが到着、4人でお茶談義が楽しく続きます。
Sさんは京都で奥伝の自主稽古を毎月共に励んだ茶友です。
久しぶりなのにずっーと逢っていたような親しみを感じ、京都がぐっと身近になり嬉しかった・・・。

  
 (2014年の葵祭り・・・川口美術さんの櫓にて見物)  

FさんとAさんが暁庵の茶道教室へ入門してくださって、感謝の気持ちで一杯です。
月2回のお稽古で、先ずは一番難しいと言われる平点前からしていただきますが、
茶名をお持ちなので、一回は小習または四ヶ伝、もう一回は奥伝としました。
とても良いお稽古になりそうで、喜んでおります。
「養之如春」(これを養う春の如し)
を心に銘じて、お稽古を積み重ねていきたいものです。

同席して応援のエールを送って下さったSさん、またどうぞいらしてくださいませ。お待ちしています。
もうじき「葵祭り」ですね・・・。                              
                           



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