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萩遊居の茶事へ

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18日に降った残雪が所々に見られる21日に茶事へ伺いました。

むらさき茶会でご案内をお願いした茶友Hさまのお招きでした。
横浜へ帰ってから初めての茶事のお招きだったので、心が飛び立つような思いです。
・・・同時に、先にお招きできずに申し訳なく思いながら、
総勢5名(Iさま、Kさま、Aさま、Oさま)で萩遊居へ押しかけました。

あたたかな香煎で冷えた体を温め、茶室・萩遊居へ席入です。
マンションの一室を改造した三畳台目の茶室ですが、創意工夫して作られていて、
伺うたびに発見があり、新たな感動を覚えます。

躙り口から席入すると、壁床に
「松 無古今色」、大亀老師筆が掛けられていました。
向切の炉に好ましい風情の釜が掛けられており、あとでお尋ねするのが楽しみです。

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                            藪椿 (季節の花300)

ご挨拶を交わし、初炭手前となりました。
釜は真形、般若勘渓造。
シンプルな形と釜肌ですが、深遠な思考の淵へいざなう趣きです。
炉縁へ近寄ると、一斉に感嘆の声が・・・「あっ!」「まぁ~!」「綺麗!」

ほの暗い炉中に今まさに咲き誇っている菊のように炭が明々と浮かびあがっています。
今までにこんなに美しい菊炭を見たことがあったでしょうか?
この一瞬に懸けたご亭主の心意気を感じながら、皆で魅入りました。
そして、私も今度の聴雪の茶会でこの一瞬を大事にしよう・・・と良き刺激を頂戴したのです。

久しぶりに拝見する向切の炭手前が新鮮でした。
炭の置き方は本勝手と同じですが、炭の組み方は逆勝手、羽根(右羽)や香合の位置がいつもと違い、頭の中がパズル状態です。
最後に、御手製の白鳥の座箒がサラサラと舞い納め、一同またも垂涎のまなざしで見守りました。
布袋香合(大樋焼)を古帛紗に乗せて拝見させて頂きました。
練香は花暦(薫玉堂)です。

別室にて向付、点心と煮物椀、そしてカラスミ(絶品!)で一献、美味しく完食しました。
主菓子は「雪餅」(Hさま製)です。

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                             蕗の薹 (季節の花300)

後座へ席入すると、壁床にミズキと蜀江(椿)が竹一重切に生けられ、
大ぶりの釜から湯気が勢いよく立ち上り、濃茶への期待が膨らみます。
私(正客だった・・)のすぐ横で、茶碗、茶入などが整然と並べ清められ、
緑の抹茶が回し出され、茶が練られ、茶香が・・・。

その様子は自分が点前をしているような臨場感があり、亭主と客がとても近く、自ずと親しみが増すものでした。
その昔、台子から台目向切の点前へ移行していった様子が興味深く想像されます。
濃茶が出され、はっと我に返ります。
口に含むとまろやかな味と芳醇な香りが広がっていきました。
客五人でアツアツの濃茶と素晴らしい時空間を共有でき、言葉にならないくらい幸せでした。

続いて三種の干菓子で薄茶をワイワイ楽しみ、あっという間に幸せな時間が過ぎていきました。
居心地抜群の萩遊居にて完成度の高いHさまのおもてなしに感激し、今回も良き刺激をたくさん頂戴しました。
拙い正客ですが、気心の知れたご連客さまに助けられて一座建立でき、感無量です。 
Hさま、ご連客さま、ありがとうございます。これからも仲良くお付き合い下さいませ。

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 (明日は節分の日にImage may be NSFW.
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