初炭の後、お客さまが持ち寄ってくださった「花に因むもの」の花ものがたりが始まりました。
その人ならではの素敵な花ものがたりがあり、もう感動しながら拝聴しました。そしてその方の貴重で素晴らしい時間(人生の一コマ)をちょっぴり共有できたように思います・・。
「聴花」の記念に写真を掲載します。写真を見るとその方の花ものがたりが思い出せるように・・・ものがたりの詳細については書き表わす文才なく省略いたします。
(Iさま・・・白竹の虫籠(池田泰輔作)に紫半夏(カラスビシャクとも)を生けてくださいました)
(SAさま・・・バドワイザーの瓶のような信楽焼花入(大宗匠の発案、伊藤南山作)と、はなの香「思ひのまゝに」)
(FIさま・・・手描きの花の栞、花はナツエビネ、きつりふね、いわしゃじん。移ろいゆく花ですが栞に一瞬の命を留めます)
(KMさま・・・花七宝蒔絵の棗とはな色の袱紗、稽古日誌に書かれたお軸の禅語「花下半日客 月前一夜友」)
お客様だけでなく、亭主・暁庵は前掲の香合「淡墨」の花ものがたりです。
半東KTさんは後座の薄茶席で、思い出のある茶箱を使い花点前で薄茶を点ててくださいました。
懐石担当の小梶さんの花ものがたりは「花菖蒲真蒸」の碗盛でしょうか。目からも舌からもしっかりと堪能しました。
花ものがたりに耳を傾けながら、「聴花の茶事」が愉しく打ち解けて、心に残るものになっていきました・・・
12時を10分ほど過ぎていましたので、懐石を差し上げました。
聴花の茶事の献立 小梶由香作成
飯 一文字
汁 ホワイトアスパラ 辛子
向付 鰹たたき とろろ おくら 山葵
椀盛 花菖蒲真蒸 アスパラ 長ネギ
(花菖蒲真蒸は、黄、白、紫の美しい花の色を出すのに工夫したみたいです・・・)
焼物 鯛 たたき木の芽
預鉢 揚げ粟麩 南瓜 いんげん 炊き合わせ
箸洗 新生姜
八寸 味噌漬寄せ豆腐のバケット そら豆翡翠煮
香物 沢庵 野沢菜
酒(大吟醸)は美しき渓流・楯野川(山形県酒田市産)です。酒豪が多いらしいとの情報で、社中・矢澤氏がチョイスしてくれました。
水屋で半東KTさんと相伴しましたが、とても美味しく短い時間に完食しました。ご馳走様!
特に最初の膳にこだわりがあるそうで、汁がとても美味しかった!です。向付の鰹たたきは5月ならではのご馳走で、とろろで食べるのも新鮮でした。きっと一文字も・・・水屋なので私たちは物相御飯です。
懐石終了後に待合へ中立していただき、そちらで主菓子を差し上げました。つづく)
(菓子銘「ベルサイユの薔薇」 石井製)
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