6月半ばに今年3回目の立礼の「聴雨の茶事」をするので、茶事支度にせっせと勤しんでいます。
6月は水無月といい、「水の月」を表わしていて雨が多い月です。
雨が好きです。
朝から雨だと尚良し・・・です。
心が落ち着いて(つまりあれこれ忙しく動く必要も外出する気もなくなり)、「今日はのんびりしよう」と自分自身に言い聞かせ、時間がゆっくり流れだします。
(立ち蹲に紫陽花が涼しげで・・・豊橋公園三の丸会館にて)
「聴雨」と名付けたものの、テーマと想いと表現がなかなか意にかなわず苦戦しています。
関東地方はまだ梅雨入り宣言は出ていませんが、晴天で暑いかと思っていると、翌日は曇り空になって急にパラパラと雨が降り出したり、とても不安定な昨今です。でも、雨の観察にはもってこいです。
夕方、急に風が吹き出して冷たい風に変わると俄雨が降りだします。そのような夕立前の微妙な変化の様子を詠んだ西行法師の歌があります。
よられつる 野もせの草のかげろひて
涼しくくもる 夕立の空(新古263)
歌の意は、もつれ合った野一面の草がふと陰って、見れば涼しげに曇っている夕立の空よ。
【補記】夕立の雨に先立って強い風が吹く。草を乱したのはその風であり、その風が運んで来た巨大な雲によって野原一面が陰ったのである。白雨が降り出す直前の景を大きく捉えている。西行晩年の丈高い自然詠。(「千人万首」より)
この歌のように刻々と変わる空や雨の様子、雨の色、雨を待っている草木や人々の様子、そして雨の後の空の青さ・・・など、雨にかかわる事象が次々と浮かんでは消えていきました。
(雨に濡れた苔庭・・・豊橋公園三の丸会館にて)
聴雨の茶事のお客さまは遠方の方が多いこともあり、今から緊張して胸がドキドキしています。
昨日、お客さまのMさまから電話が入りました。
「ここのところ30℃を越す暑さですけれど、お着物で迷っています。まだ6月だけれど絽でもよろしいかしら?」
「どうぞ何でも良いと思ったものを着ていらしてください」と私。
Mさま、ありがとう! 頂いた電話のお陰で、もう一段スイッチが入りました。
懐石の小梶由香さんから献立が届いているし、半東AYさんとの最終稽古と打ち合わせも済んでいるし・・・。
さあ~! 気合を入れて、これから買い物と花を探索に行かなくっちゃ・・・