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2018年 謹賀新年

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       遠くに富士山、大山、丹沢山塊を臨んで   2018年1月1日撮影


新年あけまして おめでとうございます


年賀のご挨拶が大変遅くなり、ご心配をお掛けしました。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
いろいろありましたが(のちほどゆっくり書きます)、元気で新年を迎えましたので、ご安心ください。
さて、年初のブログなので2018年正月に思ったことを書いてみます(実は1月1日に半分くらい書いてありました)。

「桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年、銀杏の気違い30年」

これはツレから聞いたのですが、桃栗3年柿8年のあとの言葉が新鮮でした。
あとの言葉は地方によって違うみたいで、

  桃栗3年柿8年、梅はすいすい13年、柚子は大馬鹿18年、
  林檎ニコニコ25年、女房の不作は60年、亭主の不作はこれまた一生

  桃栗3年柿8年、柚子は9年でなり下がり、梨のバカめは18年

  桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年、銀杏の気違い30年

など他にもいろんなパターンがあるとか。
果樹を植えたら、その実がなるまでに相応の歳月を待たねばならないことから、何事も成就するまでにそれ相応の年月がかかるということを表わしています。






お茶を始めて長い年月が経ちましたが、本気でスイッチが入ったのはとても遅く、強いて言えば「銀杏の気違い30年」でしょうか。
それでもゴールは程遠く、次の言葉をエールのように言い聞かせて歩んでいます。

「桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年、銀杏の気違い30年、お茶は一生90年」

課題がいっぱいのお茶の道を命の尽きるまで歩んでいきたい・・・
そして、お茶に出逢った幸せを心に刻んでいきたい・・・と。
人生100年の時代の到来と言われていますが、とりあえず90歳現役をめざしています。
皆さま、どうぞ、宜しくお付き合いくださいませ。 



2018年稽古初めは真之行台子

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1月10日は「暁庵の裏千家茶道教室」の稽古初め、気合を入れて真之行台子となっていました。

1月5日、帰省していた息子たちが帰ってしまうと、家の中が急に静かに淋しくなりました。
「そうだわっ! 真之行台子の稽古をしてみよう」と稽古始めの準備を始めました。

床の軸は、利休居士「四規七則」(紫野黄梅院・太玄和尚筆)にしました。

  和・・・人の道は和する調和すること
  敬・・・人に心より尊敬・敬意を持って対すること
  清・・・常に清浄を保って生活すること
  寂・・・何がおころうと心乱し動じてはならぬ

読み上げるたびに茶の原点に思いを馳せ、身が引き締まる利休居士悟道のお言葉です。

青磁の尺立を暮れに購入したので、青磁の皆具が揃いました。
水指は太鼓胴、蓋置は三つ人形ですが、気品高くなかなか素敵な一揃えです。
天板にあけぼの棗を荘ると、一際お正月らしい設えとなりました。




読者の方からブログの再開を喜ぶメールを頂戴し、嬉しく拝読しました。
ありがとうございます!
諸事が重なったためブログをお休みしましたが、大きな理由は右膝の怪我でした。

忘れもしません・・・2017年11月21日のことです。
11月5日に鎌倉・建長寺へ出かけた折、左足首を捻挫しました(一昨年は円覚寺で足指の骨折)。
捻挫がだいぶ良くなったので、口切の茶事に向けて膝(腿?)の筋トレをしていた時でした。
バキーンまたはボキボキッという嫌な音がし、右膝に激痛が走りました。
立つことも歩くこともできず、3日間松葉杖状態でした。
整形外科のU医師から
「MRI検査の結果、レントゲンではわからなかった損傷個所が2つ見つかりました。
 ここで無理をすると悪化するかもしれない瀬戸際なので、当分(1~3ヶ月)安静にしていてください。
 散歩や重い荷物を持つのもダメです。2週間ごとに診察を受けてください」
「先生、私お茶をしているのですが、正座ができるようになりますか?」
「う~ん、正座ですか、ダメかもしれませんが、とにかく様子をみましょう」

早く治したい一心で安静を心がけ、1ヶ月余が経ちました。
(その間、キャンセルのしまくりで、ご迷惑をお掛けしました・・・
暮れには痛みも違和感もなくなり、U医師の診察を受けると
「順調に回復しているので正座をしても大丈夫でしょう。
 風呂中で正座するなど、少しずつ正座に取り組んでください。散歩も大丈夫ですよ」 「ヤッター!

・・・それで1月5日、久しぶりの自分の稽古です。
先ずは炉の前の点前座に座ってみようとすると・・・
「あらっ!座れないわ! どうしましょう」 ショックでした 

毎日1時間以上散歩し、柔軟や筋力をつける体操など、膝や腿のリハビリに取り組んでいました。
正座も短時間なら出来るようになったので、お点前も大丈夫と思っていたのですが、
手で支えないと点前座に座れないし、立つこともできないのです(ショボン・・・)。

初稽古までの短い間、あれこれ葛藤していました。
右膝故障でも椅子に座って稽古の指導は続けていたのですが、
「このまま点前座に座れないとお茶事ができなくなる。どうしよう!
 どうしたらスムースに座れるようになるかしら?」

そのうち、現状をあるがままに受け入れて
「もう少し時間が掛かるかもしれないけれど、暖かくなるまで散歩など運動しながらあせらず身体の回復を待とう」
と今は思うようになりました。





1月10日、Fさんがステキな辻が花の着物で真之行台子の稽古にいらしゃいました。
暁庵は深緑の無地紋付の着物に、縞に金の鶴の刺繍のある綴織(?)の帯を締めました。
新年早々の初稽古なので、二人とも気合だけは十分で稽古に没頭しました。
・・・つくづくこのように奥伝の稽古に勤しんでくれる生徒さんがいることが嬉しくまた有難く思いながら・・・。

奥伝は一つ一つの所作を正しく身に着けることも大事ですが、とにかく地道に稽古を積み重ねることが一番です。
積み重ねていくうちにいろいろな疑問が湧いては消え、消えては新たな疑問が湧き、そして何よりも身体が自然体で美しく動くようになるのです。
Fさんの所作や動きがこの2年余でとても美しくなったのがとても嬉しいです。





午後はN氏とUさんが初稽古にいらっしゃいました。
みんなで花びら餅をほうばり、初釜に向けて台子で後炭手前、重茶碗、薄茶点前のお稽古をしました。
お二人ともステキな着物姿でいらしたのですが、稽古に夢中で写真がないのが残念・・・。


        暁庵の裏千家茶道教室    前へ    次へ   トップへ


暁庵の茶道教室の初釜 in 2018・・・(1)

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 (失敗して初釜の写真が1枚もありません・・・ 去年のを使いました)


2018年1月20日(土)は暁庵の裏千家茶道教室の3回目の初釜でした。

茶席は横浜市中区の茶席「K」です。
せっかくの機会なので茶事形式でお役を適宜交代し、全員にお点前をして頂きました。

初座の亭主はKさん、初座の正客はN氏、次客KEさん、三客Fさん、四客Hさん、五客Tさん、詰Uさんです。
次客KEさんは五葉会のメンバー、社中Tさんが急用のため欠席となり、急遽参席してくださり感謝です。
Fさん社中のHさんとTさんが初めて参加し、ぐっと平均年齢が下がったかしら。
中立で亭主交代し、後座の亭主はFさん、三客はUさん、詰がKさんに代わりました。
そんなわけで、暁庵が半東&水屋を務めました。

席入は11時です。
10時20分頃に着くと、皆さま、素敵な御着物でいらしてくださり、お正月らしい華やかな雰囲気が漂っています。
特筆すべきはN氏でしょうか、黒無地・染抜き五つ紋の着物に縞の袴(幻の仙台平らしい)姿がよくお似合いです。
座がきりっと引き締まり、初釜の正客にふさわしい装いです。
我が晴れ着ですが、昨年と同じ地紋のある藤色に扇面流水模様の色留袖、紺地に梅と尾長鳥を刺繍した袋帯を締めました。
着物は母の形見、帯はN先生から頂戴した大切なものです(何を着たか、書いておかないとすぐ忘れるので、お付き合いください)。

さて、茶席「K」の水屋ですが、下火が奥から運ばれ、ふんわりと美しく調えられた炉灰の上に熾った菊炭を置くと、シアワセ感がじんわり・・・。
釜がとても素敵でした。どっしりと大きく優雅な釜は芦屋釜の写しでしょうか。
あとで伺うと高橋敬典造とのこと。松の地紋、鬼面の鐶付、梅の摘み、味わいのある蓋、何度も魅入ってしまいます。

          

詰Uさんが板木を打つ音が心地好く響き、さぁ!初釜の茶事のスタートです。
梅干と結び昆布の入った福茶をお出しし、腰掛へご案内しました。
やがて、水桶を持って亭主Kさんが迎え付けに出ました。
頃合いをはかり準備していた濡れ釜を掛けます。

席入り後の挨拶では暁庵と亭主Kさんが一緒に入り、新年のご挨拶を交わしました。
お一人ずつ、新年の抱負や思うところを話して頂きましたが、健康のこと、お茶のこと、仕事とのバランス、心構えや目標など・・・伺っていると、人それぞれいろいろな思いや課題を抱えながらお茶の道を歩み、生きているのだなぁ~と。
私は、お茶との出逢いからいろいろなご縁を頂戴し、それをつくづく幸せに思っていること、
そして皆さまもお茶のご縁を大切にし、大きく育てていってほしい・・・そんなことをお話ししました。

          

待合の掛物は「笑門来福」の色紙、
床の掛物は「彩鳳舞丹しょう」、華厳宗東大寺・清水公照師筆です。
清水公照師の御筆は、五色の羽を輝かせて鳳凰が澄み切った大空を舞っているかのような・・・個性的な味わいのある書で、広い宇宙へ誘っているようでした。
天下泰平の世に現われるという鳳凰、厳しい世界情勢を考えると鳳凰が世界中の大空で飛びかう日が来ることを心から願わずにはいられません。

          

点前座には、宗旦好みの青漆爪紅及台子(せいしつ つまぐれ きゅうだいす)に青交趾七宝つなぎの皆具。
及台子の天板中央に大棗(住吉蒔絵、正春造)、左側に羽根と香合を荘りました。

初炭になり、懐石、中立まで亭主Kさんが大奮闘でした。
香合は高砂蒔絵のある溜塗「ぶりぶり香合」、香は坐忘斎お好みの「松涛」(松栄堂)です。

席に入れば、もうすべて亭主におまかせで、水屋で心配していてもどうにもならないのですが、一番心配していたのは懐石の時の挨拶でした・・・でもすぐに心配するのをやめました。
「一夜漬けです」とKさんは言っていましたが、なかなか堂々とした亭主ぶりが嬉しく大拍手です。
茶事の亭主役、懐石の給仕も初めてでしたが、多少の失敗があってもこれも勉強と思っていただければ・・・と。

縁高を運びだし、いよいよ中立です。


        暁庵の茶道教室の初釜 in 2018・・・(2)へつづく


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暁庵の茶道教室の初釜 in 2018・・・(2)

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     ( 大雪の日に   2018年1月22日(月)15時頃撮影) 
 
(つづき)
後座の床は、中釘に一重口の竹花入を掛け、ウグイス神楽、紅白の椿を生けました。
後座の亭主Fさんの打つ銅鑼が席入りの時を告げています。
  大・・・小・・・大・・・小・・中・中・・・大

銅鑼を聴く度に音色、大小の大きさ、間合いが好くなっているのがわかり、精進ぶりが嬉しいです。
全員が濃茶を頂くので、先ずFさんに黒楽茶碗に3人分点てて頂きました。
「お服加減は如何でしょうか?」「大変美味しく頂戴しています」

ここで亭主を三客Uさんと交代して後の5人分を点ててもらい、末席へ暁庵も入り、濃茶を頂きました。
「5人分を点てるのは初めてなので・・・」とUさんは不安そうでしたが、「お稽古の通りに練れば大丈夫」と陰でエールを送ります。
湯相、濃さや練り加減もほど好く、とても美味しい濃茶でした。
濃茶は「喜雲」(小山園詰)、前席の菓子は「菱花びら餅」(打出庵製)です。

Uさんに仕舞い付けと道具拝見まで担当して頂きました。
一碗目の黒楽茶碗は銘「あけぼの」覚入作、二碗目は李朝・井戸茶碗です。
存在感のある茶入は瀬戸肩衝、加藤光右衛門造(加藤十右衛門の二男)、
異国情緒漂う柔らかな仕覆は始めて見る裂地で、たしか亀甲鶴文双魚緞子だったような?
茶杓は銘「丹頂」、紫野・藤井誡堂師作です。


     ( 大雪の翌日   2018年1月23日(火)10時頃撮影)

ここで後炭手前となり、正客N氏の登場です。
胴炭がすぐ割れるほど火がまわっていたので
「あっちちっ!!」かなり熱そうな様子で炭を調えた後に、匙香、湿し灰が撒かれ、胴炭から逆回りに炭を継いでいきます。
後炭で丸管と割管と枝炭を一緒に持つところが女性にとって難しく、美しく持つのが見せ場の一つなのですが、スイスイとなんでもないように炭を置いていきました。
「流石、力持ち・・・」と女性群はため息でした。



後炭が終わり、亭主Fさんが煙草盆、干菓子、百人一首の入った姫箪笥を運びだし、薄茶は員茶之式風でしました。
百人一首の札を詠み上げ、下の句の札を持っている人が唱和し、干菓子と薄茶を頂き、お点前をします。

  光孝天皇   君がため はるの野に出でて 若菜つむ
           わが衣手に ゆきはふりつつ

  伊勢大輔   いにしへの 奈良の都の 八重桜
           けふ九重に 匂ひぬるかな



      (初釜の台子薄茶点前に備えて稽古中です・・・17日暁庵にて)
     
最初と最後の札の人が始めの準備と仕舞い付けをしなくてはならないのですが、初参加のHさんとTさんがそわそわしだしました。
お二人とも最初と最後の札にはあたらなかったので、安心して薄茶を頂き、お点前に集中できたようです。
大勢の人前でするお点前はきっと緊張したり、その緊張が心地好かったりしたことでしょう。
また来年も参加して下さると嬉しいです。
お茶の神様の配材で、最初と最後はN氏が札を引きました。

それぞれのお役をしっかり務めながら2018年1月20日初釜が無事に終わりました。
きっときっと、ドキドキ心配あり、刺激的な体験あり、貴重な学びあり、美味しい濃茶と懐石ありの初釜だったことでしょう。
今年も楽しく仲良くそして元気にお茶の道を歩いてまいりましょう!


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雪のちらつく京都へ

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         雪の仁和寺        2018年1月27日撮影

1月28日(日)にS先生のお祝いの会があり、26日夕方に京都入りしました。
まだ右膝に不安があったので、早目に出かけて京都の友人K氏宅でのんびり2泊させてもらいました。

翌日、朝から雪がちらついています。
「ちょっとご主人をお借りしますね」
「どうぞどうぞ遠慮なく・・・」まり子夫人の声に送られて、K氏と雪の仁和寺へ散歩に出かけました。
K氏は大学時代の同期生、京都在住中はツレ共々お世話になり、食事会、愛宕山登山ハイキングなど楽しい思い出がいっぱいあります。
・・・そんなご縁で、今回はお宿を引き受けてくださったのでした。

いつもの散歩コースは仁和寺から双ヶ岡(ならびがおか)を登り、法金剛院を経て、妙心寺を抜けるそうですが、
この日は雪がひどくなったので仁和寺だけにしました。
雪の仁和寺は寒いけれど、雪に融け込んでいくような閑かで深遠な雰囲気が心に残りました。
それでもお詣りする観光客がいらしてびっくりです。



国宝の金堂近くの社務所でおみくじをひきました。
K氏は「大吉」、私は「吉」。
K氏も暁庵も健康面ではいろいろあったので、「大吉」と「吉」を素直に喜び、書かれた言葉に耳を傾け、お互いにこの1年の家内安全と無事息災を願ったのでした。


     嵐電の駅から「車折神社(くるまさき)」を撮る

午後になると雪が止み、車折(くるまさき)神社へでかけました。
車折神社には芸能を司る神様がいらっしゃるそうで、お茶のためにも是非お詣りするようにK氏に勧められたのです。

車折神社には「願い事・悩み事がある方へ お勧めの参拝手順」という看板があって、それに従ってお詣りすることにしました。
 ① 「手水舎(てみずや)」で、手や口を清める
    

 ② 「清めの社」に参拝し、心身を清める
    

 ③ 社務所で「祈念神石(きねんしんせき)」を授かり、本殿の前で「祈念神石」を両手で挟み、願い事を祈念する。
   ・・・もちろん「祈念神石」を授かりました。

               車折神社の本殿
    
 ④ 「芸能・芸術関係の方」はその後「芸能神社」へ参拝し、同様に「祈念神石」を両手で挟み、願い事を祈念する。


 ⑤ 「祈念神石」は毎日肌身離さず持ち歩く。
   願いが叶ったら、「自宅や海・川・山」などで石を一つ拾い、お礼の言葉を書いて本殿前に供えましょう。
   その際、「祈念神石」も古札所へ納めましょう。ともに郵送可。
   
   お礼の言葉が書かれた「お礼の石」が山のように・・・本殿前にあります



本殿に参拝してから芸能神社へまわると、「京都  千 宗室」と書かれた裏千家お家元の朱の奉納木札を発見したので心強く思い、茶道に関する願い事(ナイショです)を一生懸命祈念しました。
願い事が叶うためには一層の精進が必要なようです・・・・汗!



       奈良の寺の雰囲気を感じる太秦・広隆寺へ

太秦・広隆寺の仁王門で、京都で初めてのお友達TYさんと待ち合わせ、広隆寺の仏像を拝観しました。
こちらは京都で一押しの仏像の宝庫です。
暗い館内にはたくさんの御仏がいらして、国宝・弥勒菩薩半跏思惟像の前で身じろぎもせずに祈りをささげている女性がいました。
お気に入りは重文の千手観音さま、おおらかで素朴で、火事に遭われたのでしょうか、一部焼けただれた手は劫火に焼かれてもなお、衆生を救おうと差し伸べていらっしゃるように思え、その手の表情に魅入りました。
他にも素晴らしい仏像(泣き弥勒も)が収蔵されているのですが、いつもこの仏像に釘付けです。

大映通りのカフェで温かいココアを啜り、TYさんと久しぶりにほっこりした時間を過ごしました。 

華甲のお祝いの茶会

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         冬牡丹・・・・嵐山・吉兆にて

    淡雪の灑ぐ牡丹の紅増して
         華甲の恩師慕ふごとく・・・   

1月28日(日)、S先生の「華甲のお祝いの茶会」にお招き頂きました。

「華甲(かこう)」とは還暦のことを言うそうです。
「華」という字が6つの「十」と一つの「一」からなるので六十一歳、昔は歳は数え歳で数えていました。
「甲」は「きのえ」で十干の一番目。十干十二支が一回りして最初の「甲子(きのえね)」に帰ったことを表しています。


 待合の「鶴亀寿老人」・・・上部に鶴、下部に亀が表具の上に画かれているのが珍しい

ご案内に京都嵐山・吉兆にて・・・とあり、2日前から京都入りしました。
嵐山・吉兆は気になる存在でしたが、なかなか入る機会も勇気もなく、伺うのが楽しみでした。
嵐電「嵐山」駅で降り、雪がちらつく中Oさまと吉兆へ向かいました。
門の外で男衆の出迎えを受け玄関へ入ると、着物姿の美しい奥様が笑顔でお迎えくださり、やっと安堵しました。

待合の床には「鶴亀寿老人」の図(岡本豊彦筆)が掛けられています。
穏やかな鶴亀寿老人に、茶道に向き合い切磋琢磨されて還暦を迎えられた先生の若々しいお顔を重ねました。
待合で同席の皆さまとご挨拶を交わし、「御菱葩」(道喜製)を頂戴しました。
今年3回目の花びら餅でしたが、やはり道喜製は一味違いますね。味は同じでも、味噌餡が以前より少し固めになり食べやすくなったような・・・。


   大きくて美味しい!「御菱葩(花びら餅)」(道喜製)

いよいよ濃茶席、先生自ら濃茶を練ってくださいます。
席入りの直前に奥様から「お正客をお願いします」と言われて飛び上ってしまいました。
でも、ぐずぐずしていてはご迷惑をお掛けすることになるので、覚悟を決めて席入りしたものの、待合で会記をしっかり読んでおけばよかった!・・・と後悔しました。



本席の床に「千眼看不見」の御軸、裏千家9代不見斎石翁の御筆です。
読み下しは、千眼(せんがん)を持って看(み)れども見えず。
S先生から眼からだけでなく、目に見えないものをしっかりと心で見ることの大切さをお教えいただき、時にはきっと大変なご苦労もありながら、真摯に茶の道を歩んで来られた先生の御心を推察し、胸が熱くなりました。
私も先生の御心を慕いながら茶の道を後から歩んで参りたい・・・と思いました。



今でも時折いろいろなシーンが頭を横切ります。
先生のお点前を約20名の方々が固唾をのんだように見詰めていると
「濃茶なので本来はお話をしないのですが、今日はいろいろお話をしながら濃茶を差し上げたいと思います」
それで、不肖の正客はすっかり安心して、先生のお話を伺うことにし、お話の流れの中でお祝いの気持ちを代表してお伝えできれば・・・と思ったのですが、緊張して何を話したのか覚えていないのです(トホホ・・・)。

それでもお点前が進み、先ほどから気になって仕方がなかったことをお尋ねしました。
「柄杓の柄の部分が赤く塗られているように見えるのですが?・・・」
すると柄杓の柄だけでなく、茶筅の綴じ紐、茶巾が「赤備え」でした。さらに手桶水指(認得斎好)を華甲を祝う「赤色」、そんなS先生のこだわりのお話に座が「わっ!・・・」と湧きました。
未熟な正客も一座の方々も緊張から解き放たれ、一気に席が楽しくなったように思います。



天命の釜「古狸」(認得斎銘)から湯が汲まれ、心を込めて練ってくださった濃茶を頂戴いたしました。
茶碗は如心斎好の嶋台、慶入造、濃茶は銘「延年の昔」(八女・星野園詰)です。
熱くまろやかな濃茶が喉をやさしく潤し、暁庵だけでなく順次頂戴した連客様の寿命を伸ばしてくださるように思われました。

私にとって垂涎のお道具ばかりでしたが、中でも作者・不見斎の指痕を感じる黒楽茶入「玄鶴」と、御家元からお祝いに頂戴したという茶杓・銘「天眼」が心に残っています。

素敵なお道具との、一つ一つのご縁を想像し、きっと長い歳月を掛けられたことと推察されました。
そして先生と巡り会ったお道具たちの声が一斉に聴こえたように思ったのです。
「S先生、無事に華甲を迎えられ、おめでとうございます。
 S先生と巡り会え、お祝いの席に使って頂いて喜んでいます。ヨカッタ!ヨカッタ!」
またいつかお道具たちとお目に掛かれますように・・・。





窓外に降る雪や、可憐に咲く寒牡丹にみとれ、見事な敷松葉の庭に感心しながら、あこがれの吉兆で会席料理を美味しく頂戴しました。
目に美しく上品で凝った料理を堪能しましたが、それらの器も凄かったです・・・。

不束な正客ながら、お優しいS先生のお助けのもと、素敵な御連客様のお蔭にて華甲をお祝いする一座建立ができました。
今となってはとても好い思い出となり、喜んでおります。ありがとうございました!


追伸)カメラの電池ギレで写真はFさんとMさんにご協力を仰ぎました。ありがとうございます! 

「やぶれ庵」の茶事

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2月14日、バレンタインデー。
いまだ我が家の梅は咲きませんが、ようやく春の足音が聞こえて来たようですね。

「華甲のお祝いの茶会」の翌日(1月29日)淡路島へ渡りました。

ご亭主・T氏は京都在住中に親しくなった暁庵の数少ないボーイフレンドで、いつも素敵な茶事でおもてなしをしてくださいます。
母上・SK先生の喜寿をお祝いする茶事以来ですが、今回は社中Fさんとたった二人です。
ご案内に「やぶれ庵にて」とあり、どのような茶室でどのような茶事をしてくださるのか、胸がときめきました。




12時過ぎの席入りでした。
広間の待合へ入ると、鉄瓶が掛けられた箱火鉢と煙草盆が人待ち顔に置かれていました。
床の御軸は、いきいきと画かれた天神様と北野天満宮の梅の春をうたった和歌の画賛でした。

半東はなんと!SK先生、若々しくお元気そうなSK先生にお会いできて嬉しく思っていると、自ら鉄瓶の湯で福茶を入れて下さいました。
広間のすぐ横に工夫された腰掛待合があり、懐かしい煙草盆に出会いました。
京都を去る時、餞別に差し上げた吉田神社節分の福桝を煙草盆に使ってくださって、嬉しい再会です。



「やぶれ庵とはどんな庵かしら?」
勝手にいろいろ想像していましたので、心高鳴る思いで席入りしました。
そこは、二畳に隅炉が切ってあるだけの簡素な茶室です。
余計なものを持ち込んではいけない気配を感じ、壁床の「自得」と書かれた御軸が我が心を揺さぶりました。

「六十歳還暦の時に出会った御軸です。
 もう一度、初心に戻り一から始めたいと思いました・・・そして今も・・・」
SK先生のお言葉が今でも忘れられません。
厳しい中にも自らを奮い立たせ、立ち向かっていく勇気を与えてくださる「自得」でした。

12時をとっくに過ぎていたので、先に懐石が運ばれ、美味しく頂戴しました。
コクのある胡麻豆腐、小松菜入り蓮餅の食感、そしてチーズとカラスミの和え物に舌鼓です。
珍しい縁起物だというお餅の煮物椀に無病息災を願い、取り合わせの器の美を堪能させて頂きました。
斬新な器(香合の蓋物や小吸物椀)の使い方など、懐石を楽しくするヒントを頂戴し、大いに刺激を受けました。



懐石が終わり、炭手前はT氏に交代です。
茶事のご馳走の一つはお点前と言われていますが、自然体のお点前は清々しく素敵でした。
惹き込まれる様に炭手前や濃茶点前を拝見しながら、いろいろな示唆を頂戴し有難かったです。

大きなお釜が垂涎でした。
軽々と釜があげられ、「アッ」と息を飲むほど存在感のある魅力的な丸釜が現われました。
後ほど聴いた釜鳴りは、大きさからのイメージとは大違い、優しい松風でした。
隅炉の炭手前を拝見するのは初めてで興味津々。
炉に近寄ると、懐石もあり時間が経った筈なのに、炭が黒々と3本立っているではありませんか。
どんな下火の塩梅をしたのかしら・・・流石です。

戌年に因んだ優雅な香合「犬筥(いぬばこ)」が心に残っています。
手に取ると軽く、江戸時代の張子のようですが、赤絵の絵模様が美しく精巧でした。
練り香はT氏お気に入りの「玄妙」(山田松香木店)です。
香の薫りがやぶれ庵を嫋やかに包む頃、主菓子「椿餅」を頂戴して中立しました。




後座へ席入りすると、SK先生が丹精された曙椿と黒文字が竹一重切にいけられ、
水指は釣瓶(伊勢神宮古材)、茶入は古色のある紹鴎形の町棗です。
T氏の濃茶点前が静かに始まり、私もFさんも四方捌き、端整な清めの所作に引き込まれていきました。
やがて茶香が漂い、熱くよく練られた濃茶が出されました。
「最後に私もお相伴させて頂きます」
まろやかで美味しく、ご亭主T氏と一碗をともにできたのは何よりの思い出になりました。

T氏に急用が入ったようで亭主が交代となり、続いて薄茶となりました。
SK先生が趣深い三田青磁の酒会壷から薄茶を掬い、濃茶と同じ黒楽茶碗で点ててくださったのも良き思い出です。



茶杓が深く心に残りました。
真ん中に一本通った杼が全体をを引き締め、左側に続く波打つ裳裾のような景色があります。
その景色にかつて辿った四国八十八ヶ所遍路の或るシーンを思い出していました。
厳しい修行の場である土佐(高知)の海辺の遍路道、波打ち際を遍路する墨染めの僧侶の姿が目に浮かびました。
まことに「やぶれ庵」の茶事にぴったりの、趣き深い「やぶれ衣」だと・・・。



奥様にバス停まで送って頂いた時、T氏が見送りに駆けつけて
「変則の茶事でしたが、自分としてはもう精一杯のおもてなしでした・・・」
急なお仕事が入ったのに、本当にさりげなく、誠心こめておもてなししてくださったのです・・・。
私はその御心を溢れんばかりに受け取って、思わず涙が出そうになりました。 
「そうだ! 私はこのような瞬間を求めて淡路島へやって来たのだ・・・」と以前にも増して思ったのでした。

T氏、SK先生、奥様、素晴らしい3人のチームワークのおもてなしに感激し、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました!! 
これからも細く長くお付き合いくださると嬉しいです。   

「枝頭の春の茶会」へ招かれて

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      京都左京区吉田山近くにある「東北院」の「軒端の梅」


1月30日、Rさまの「枝頭の春の茶会」へお招きを受け、京都へ戻りました。
「暁庵さまの京都在住中には仕事が忙しく、我が家へお招きできなかったので、この機会に是非いらしてください」と嬉しいお声掛けがありました。
Rさまと御一緒した京都の思い出が懐かしく頭をよぎります。
「道成寺」など観能のお誘いや、吉田兼好ゆかりの吉田神社、茂庵や金戒光明寺(熊谷直実や平敦盛の供養塔がある)を散策したり、灑雪庵へもいらしてくださいました。

京都在住の茶友Yさま
と社中Fさんと3人で、いそいそと北区のお宅を訪ねました。
藤紫の着物に紺の袴姿のRさまにお会いするのは3年ぶりでしょうか、
「ハイカラさんみたいで袴姿がお似合いですね」とFさま。
お会いできて懐かしく、こちらも暁庵がこだわっている家庭茶事でした。
玄関の小上がりが寄付になっていて、玄関土間が待合兼腰掛待合、椅子が3つ並べてありました。
おしぼりで手を清め、温かな生姜湯を頂き、茶室へ席入りしました。

そこは新席みたいにピッカピカの四畳半の茶室、床は台目で下座床です。
床の御軸をお読み上げ頂くと
「梅花 枝頭春」(ばいか しとうのはる)妙心寺弘雲(?)和尚筆だそうです。
「お坊さまが春を探し求めてあっちこっち出歩いて帰ってみたら、我が家の梅の枝先にほころびを見つけた」と伺って、ユーモラスなお話の中に「看脚下」の厳しさを感じました。
本当に心して見ないと、見ているけれども見えないものがたくさんあり、
「いったい私は毎日何を見て、何をしようとしているのか」と時々自分に問いかけています。

     
     神社の水仙 (季節の花300)

水仙が清楚にいけられていました。
竹花入の入船が「京都へお帰りなさい」の意味と知り、大感激でした。
床に和綴じの物語香合。
蓋を開けると練香が上側に飛び出て置かれているのが珍しく、物語を紡ぎ出すお仕事のご亭主にぴったりです。

阿弥陀堂釜と炉中の趣きが素敵でした。
最初はわからなかったのですが、後で電気炉とわかりびっくり!
炉灰も入っていて、まるで炭火が熾っているかのようにあかあかと美しい景色です。
唐銅薬缶が使いたくって選ばれたという山雲棚に白磁の水指がすっきりと置かれ、天板の棗と風炉先屏風が後ほど素晴らしい物語を・・・。

ご挨拶のあと、すぐに朱膳に乗せられた点心が運ばれました。
仕事がお忙しそうなご亭主は料理が苦手らしい・・・と勝手に思い込んでいたのですが、
お手づくりの点心と煮物椀、それらの一つ一つが美味しく刺激的でした。
点心、煮物椀、主菓子の珠光餅、全部手づくり・・・のようで私も頑張って作らなきゃ!と刺激を頂きました。
「珠光餅」を早速試作してみたのですが、食感が今一つ違いました・・・。

     

上賀茂神社の御神水を汲み、御自作の黒楽茶碗で点ててくださった濃茶、初めていただく濃茶「長安」は練り加減よくまろやかで美味しゅうございました。
能面や古寺瓦の干菓子など、京都や奈良の珍しいものをご用意いただき、続き薄茶ではご連客のYさま、Fさま共々和やかにお話が飛び交いました。

槍の鞘茶入(鬼丸碧山造)や粟田焼・安田氏の茶碗も印象に残っていますが、棗の物語が素敵でした。
それは源氏香がデザインされた中棗で、蓋裏にイニシャルが入っています。
結婚○○周年記念にご主人から贈られたとか(・・・う~ン!うらやましい・・・)、作者は岩淵祐二氏でした。
もう一つ、インパクトのあるユニークな茶杓の銘(「春待つ日」だったかしら?)と作者がどうしても思い出せずにいます・・・。

     

温かい手づくりのおもてなしが京都の寒さを吹き飛ばしてくれました。
Rさま、ありがとうございました! 

たまには関東地方へも出没のご様子、どうぞ暁庵の茶事にておもてなしをさせてくださいませ。
またお会いできますように・・・。  


如月の五葉会 in 1028

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2月9日(金)は新年を迎え、初めての五葉会でした。

1月に初釜を兼ねて開催する予定でしたが、私の右膝の回復が思わしくなく、休会予定だった2月に変更して頂きました。
それでも花月の「互換機鋒看子細(ごかんきほうしさいにみよ)」についていける自信はなく見学のつもりでした。

前日、宗智さんからメールが入り、風邪のためお休みとのこと・・・・。
皆さまにご迷惑ながら暁庵が参加することに覚悟を決めました。「ヤルッキャナイ・・・



その日は、二人貴人且座、投げ込み花月、香付花月を修練しました。
お茶の神様のご配慮があり、二人貴人且座では三客(炭の役目)、投げ込み花月と香付花月では次客の札を引きました。
比較的動きの少ないお役だったので、何とかついて行く事が出来ました・・・(ふぅ~!

二人貴人且座は「花月風雅集」しか教本がなく、しかも大層わかりにくい記述になっています。
ちょうど2月のS先生の東京教室のお稽古で見学させていただいた後だったので、そのやり方でして頂きました。
(・・・それでも別なやり方もあるそうで、早く七事式の教本がほしいですね)



大好きな香付花月之式は3種の香を用意しました。
香銘は「初音」「梅ごよみ」「春の雪」、その中から「春の雪」が選ばれました。

  香付花月之記

   春の雪 庭に出でたる 愛犬の
       小さき足跡 点々々と       宗厚

   おみやげの 苺届けし 春の雪
       ブレーキきかず 顔青ざめし    宗里

   我が背子が 手術を受けし その夕べ
       春の淡雪 閑々と積めり      宗曉

   余寒とは 云いしものかな そこここに
       残る雪あと 春はいづこや     宗眞

   春の雪 輝きみそらに 舞いたれば
       花びら思い 嬉しくもあり     宗悦

                    出香  宗悦
   香銘 春の雪


新年最初の五葉会だったので、熱々の雑煮をお昼に食べて頂きました。
6つの世界遺産を巡ってきたという宗悦さんのトルコ土産のお菓子と土産話が加わります。
この場は和やかに終了したのですが、勉強熱心な皆様のこと、その後に二人貴人且座についてのメールが賑やかに(?)飛び交いました。
いろいろな質問や議論(?)ができることが有難く、真摯で素敵な五葉会のお仲間に感謝です。

来月(弥生)の科目は廻り炭之式、結び帛紗花月、三友之式、こちらも楽しみです。 


        暁庵の裏千家茶道教室   前へ    次へ     トップへ

病院のミニ・コンサート

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       近くの公園の紅梅と白梅がまっ盛りです


2月に2週間ほどツレが神奈川県ガンセンターに入院しました。
11月に2回目の精密検査を受けて初期の癌が見つかったのです。
N先生から治療方法について丁寧な説明を受け、年明けに手術の選択をしました。
手術の選択は本人にとって大変なことだったと推察しますが、早期の段階で手術に踏み切った方が転移や癒着などの心配もなく、体力があるうちにした方が良いのでは・・・と思いました。

N先生から手術の具体的な方法とその後の処置、手術に伴うリスクの説明を受け、ツレも私も納得し、手術をお願いしました。
今は開腹ではなく腹腔鏡手術を行い、万が一の場合(血管炸裂、癒着がひどいなど)には開腹して対処すること、24時間はICU(集中治療室)で術後のケアをし、その後は病室へ戻り、管を付けたまま自力でトイレへ行く事など・・・・いろいろ変わっているようです。

一番驚いたのは静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう、エコノミークラス症候群とも)の予防措置でした。
静脈血栓塞栓症は入院患者の主な死因の一つになっているそうです。
手術が長時間に及ぶと、ふくらはぎの血管に血栓が出来やすくなり、術後にその血栓が血流に乗って下大静脈・右心房・右心室を経由し、肺へ流れつき、肺動脈が詰まると肺塞栓症となることがあるそうです。
予防措置としてはタイトな膝下の靴下を履き、手術中にふくらはぎのマッサージ器を導入しています。


    プランターの蕗の薹が顔を出しています

幸いにも手術は順調に終わり、手術後すぐにN先生から経過説明を受けました。
「これが摘出部位です。ほらっ!癒着もなく、とてもきれいに摘出手術ができました」
N先生には見慣れている臓器でしょうが、私には初めての事でちょっとひるみました。
手術がよほどうまくいったのでしょうね。それを見せて説明するN先生の顔が嬉しそうでした。
「ありがとうございました・・・」
私も先生にお願いしてヨカッタ!と心から思いながら、その部位の詳しい説明を伺いました・・・

その後、短時間の面会が許されICUへ行くと、ツレの顔がしっかりしていて元気そうに見え、安堵しました。
それでも吐き気がするとのことで、あとは看護婦さんへお願いして引き上げました。
あとでその時のことを聞くと、私が来て「タコがどうとか・・・」とおしゃべりしたことをぼんやりと覚えているだけでした。


  梅  (季節の花300)
(「好文木」「木の花」「春告草」「風待草」という別名も大好きです)

経過は順調で、身体に3本付けられていた管が徐々に取れていきました。
退院も2日ほど早まって、いよいよ退院も間近い木曜日、2階のラウンジで毎週開催されている「木曜 ミニ・コンサート」へ二人で出かけました。
ボランティアさんに渡されたプログラムを見ると、第799回とあり、びっくり!

第799回 木曜 ミニ・コンサート    2018.2.15

     シャンソン独唱 美山容子(みやま ようこ)
     ピアノ伴奏   大本公広(おおもと きみひろ)

 1.再会
 2.バラ色の人生
 3.小雨降る径
 4.私の心はヴァイオリン
 5.ラストダンスは私と
 6.愛愁(美山容子オリジナル曲)
 7.なつかしの歌メドレー(皆さまとご一緒に)
 8.浜千鳥(皆さまとご一緒に)

美山容子さんは80代とのことですが、シャンソンを情感たっぷりに謳いあげてくださいました。
ピアノの大本公広さんとのデュエット「ラストダンスは私と」は息がぴったりで、もっと聴いていたい・・・と思いました。
美山さんのお話によると、美山さんも癌を患っていらして、落ち込んでいた時に、こちらのドクターにミニ・コンサート出演を勧められたそうです。
毎年1回のミニ・コンサートが励みになり19回目になるそうですが、20回目は体力のこともあり考慮中だとか。


  我が家の水墨画風「春告草」(はるつげぐさ)
 
そんな美山さんの歌と癌と戦い立ち向かっていく姿が多くの患者さんや家族を慰め、元気づけているのを感じます。
ツレと私も「なつかしの歌メドレー」を大声で熱唱して、なんか元気をいっぱい頂いた気がします。
長年のファンの方でしょうか・・・コンサート後に花束をいくつも受け取って、美山さんも嬉しそうに輝いていました。
ぜひ来年の20周年ミニ・コンサートをめざし、元気に頑張ってくださいね・・・

マリメッコの茶の湯空間

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2月27日に、すっかり重くなった腰を上げて「marimekko SPIRIT -マリメッコの暮らしぶり」という展覧会へ行ってきました。

重い腰を上げたのは、会期が2月28日までだったこと、
もう一つは硬直しがちな頭にドカン!と風穴を開けるような刺激が欲しかった・・・のです。

開催場所は東西線・東陽町にある竹中工務店1Fのギャラリーエークワッドです。
我が家のお茶サロンにいらしたなほさんが情報提供してくださったおかげで、とても良い経験ができました。

マリメッコはフィンランドを代表するブランドだそうですが、昨年まで私は無縁でした。
昨年6月にOさんに逢いにスウェーデンを訪れた帰りのこと、ヘルシンキの空港でマリメッコのティポットとナプキンを買ったのがご縁の始まりでした。
両方とも茶事で使って、秘かに茶の湯との相性の良さを楽しんでいました。
・・・そんなわけで、どんなマリメッコ仕様の茶の湯空間が創造されているのか、興味津々だったのです。

エントランスを入ると、フィンランドらしいサウナ小屋があり、
「履物を脱いで上がってください」とあります。
草履を脱いでサウナのベンチに座ると、窓から対岸の茶室、その間を露地(日本庭園)が作られています。


   サウナ小屋へいざなう踏み石


   本格的なサウナ小屋


   ベンチに腰かけると、露地(日本庭園)の向こうに茶室が見えました

どうやら日本の茶の湯の文化とフィンランドのサウナの文化(ライフスタイル)が出会い、対話し、融合し、新たなハーモニーを生み出す、そんなコンセプトのようです。
色鮮やかなテキスタイルと盆石上の映像が四季の移ろい、冬の後に目覚める自然、暑い夏の日差し、秋の豊かな色彩から冬の静けさまで描き出しています。
盆石上の映像のアイディアが素晴らしく、刻々と変化するフィンランドや日本の四季の美しさやmarimekko SPIRITを表現していました。








「文化と文化の出会い」に書かれた次の文章を読み、Oさんのサマーハウスのサウナ小屋を懐かしく思い出しながらサウナについて興味を新たにしました。

   文化と文化の出会い    
             マリメッコデザイナー サミ・ルオッツァライネン

マリメッコ・スピリッツ-マリメッコの暮らしぶりは-日本庭園を通じて、訪れる人をフィンランドのサウナへ、更に茶室へといざないます。
・・・・中略・・・
フィンランドの文化の一部としてのサウナの意味はとても大きく、茶室や茶道が日本文化と日本人にとって大切であることと少し似ています。
サウナは家族や友人たちと共に安らげる、肉体と精神を健全に保つ源-心を落ち着かせ、体を清め、他者を尊重するための場なのです。サウナは平等な場で、サウナのベンチに座っている人は全員に同じ価値があり、同等です。
フィンランド人にとってサウナは贅沢なものではなく、普段の日常の一部であり豊かな暮しの一部です・・・・(後略)

それでは茶室へ御一緒しましょう。


      斬新でインパクトのある茶室の外壁


      躙り口から席入りすると・・・


      床の掛物と花


      点前座の茶道具


      釜はガラスのフラワーベース(?)、白木の炉縁が素敵です。


      展示されていた薄茶道具一式


      「真理庵」と書かれた扁額と壁のテキスタイルが融和して・・・

  会期 2017年12月15日(金)~2018年2月28日(水)
  会場 ギャラリーエークワッド(東京都江東区新砂1-1-1)  入場無料

梅月の夜咄の茶事に招かれて・・・(1)

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    (茶事の写真がないので我が家の屏風です)


2月18日(日)、Sさまより夜咄の茶事へ招かれて、寒さも夜間も何のその・・・勇んで(?)出かけました。

席入りは18時、日の入りの関係で30分遅くなりました。
初めて東京のSさま宅へ伺うと、玄関の土間に続く上り框が十畳くらいのフラットな広間になっていて、その一部に三畳の畳が敷かれ待合になっていました。
さまざまな小灯しがその空間を温かく包みこみ、一方でほの暗く神秘的な雰囲気を醸し出していて、こんな待合の在り方も素敵だなぁ~とうっとりです。

ほの暗い中に煙草盆の火入や手あぶりの炭火が明々と美しく、調えられた灰筋に魅入りながら、ご亭主の気合が伝わってくるようです。
正客は不肖暁庵、ご連客はFさん、SNさま、ご亭主の友人・Mさま夫妻の計5名で、仲良く煙草盆と手あぶりを囲み、半東Iさんが運んでくださった御汁粉を頂きました。

待合の壁に掛物があり、どうやら染紙に書かれた歌切れ、その下に画(う~ん、茄子のような・・)が描かれていました。
かろうじて「梅月」の題字が読めましたが、あとの文字や画を判読できず、暗さゆえ・・・ということにいたします。

あとでご亭主から伺うと、「梅月」という銘の枇杷(袋に入っている)の画が下部に描かれ、「うぐいすの・・・・」の和歌が書きつけられていたそうで、今頃になって「梅月」の御軸(琵琶)がこの日の茶事そのものを物語っていた・・・と思い出しながら書いています。



玄関の土間に用意された露地草履を履き、手燭を持って、五人で露地を雁行し外腰掛に座りました。
折しも東の空から下弦の細い月がのぼったところです。
外の冷気を心地好く感じながら、如月の清々しい月を五人で眺めたのも良き思い出です。

前後が入り乱れますが、席中で「梅月」の御軸のことをご亭主から伺った時、先ほどの下弦の月こそ「梅月」そのものだったと・・・、そして再び心中で月を眺めていると、どこからともなく琵琶の音色が聞こえてきたように思えたのでした。

  梅月や 迎え付け待つ腰掛で
     夢かうつつか 琵琶の音色か       暁庵

やがてご亭主が迎え付けにお出ましになり、手燭の交換をし、会釈を交わしました。
まさに夢のような瞬間です。

席入りすると、床に
「柳緑花紅」
の御軸、筆者を忘れましたが、とても柔らかく個性的な御筆が心に残りました。
「春爛漫の情景を表わす語句ですが、元に或る意味の ”今あるがままの自然体で・・・”と思っております」とご亭主Sさま。
そのお話のお蔭で、主客共に自然体で茶事にのぞめた気がします。
前茶、初炭、懐石と茶事は和やかに進行していきました・・・。

       
        梅月の夜咄の茶事に招かれて・・・(2)へ続く

梅月の夜咄の茶事に招かれて・・・(2)

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(つづき)
中立となり、外は寒いので待合にてお鳴物を待っていると、
喚鐘を打つ音が聞こえ、客一同その場にうずくまりました。

5点・・・しっかり間合いを開けて、辺りを払い清めるかの如く鳴り渡ります。
なんと玲瓏な音色と響きでしょうか!
今までこのような喚鐘を聴いたことがありませんでした・・・。
その音は長く美しく心に染み入る響きがあり、夢の中のように後座へいざないます。

後座の席入りをすると、なんと!無床でした。
夜咄なので、なるべく無駄なものは荘りたくない・・・というご亭主の素にして寂びた心持ちを表わしているのでしょうか。私にとって初めての経験です・・・。

濃茶点前が静かに始まり、湯相もよろしいようで、眠りを誘う穏やかな釜鳴りにしばし聞き惚れていました。
やがて濃茶が練られて(裏千家流の練り方ではなく・・・)出され、粗相をしても申し訳ないので次客に取次をお願いしました。
まったりと香りも色艶も好い濃茶を頂戴しました。
濃茶は「長松の昔」(京都・柳桜園詰)、前席で頂いたお菓子は「雪間の草」(赤坂・塩野製)です。



長くなりそうなので炭手前を飛ばしたのですが、釜は玄々斎好みの独楽釜、菊地正直造の和銑(わづく)釜、ご亭主が和銑釜に愛着を持っていらっしゃるのが釜好きの暁庵としては嬉しかったです。

鉄には和銑(わずく)と洋銑(ようずく)の二種類があって、和銑は、日本古来のたたら製鉄によって砂鉄と木炭から作られた銑鉄です。
今でも出雲(島根県)にたたら場(たたら製鉄所)があって、1年に1回だけたたら製鉄が行われていると、TVで見たことがありました。
今年1月の雪降る中、古いたたら場跡を巡ったこと、たたら場跡が棚田になっていたというお話にいたく感動し、雪の出雲路を運転するご亭主の姿が目の前に浮かんでくるようでした。

・・・それで、出雲路にゆかりのある茶道具が満載でした。
初めて伺う陶芸作家さんのお話や作品が興味深く、新しい世界が開けていくようで、これも茶事の醍醐味です。

後入りの時から水指が気になっていました。南蛮かしら? でも形が違うし、備前かしら?
侘びた土味が好ましく端整な形の水指は、三朝焼の森田十雨造、ご亭主一押しの作家さんの作でした。
金海を思わせる濃茶茶碗は萩焼、薄茶を頂戴した乾山写大根絵茶碗は布志名(ふじな)焼の土屋善四郎造です。
鳥取県や島根県の陶芸作家さんの作品はどれも手の中で温かな魅力がありました。
お話を伺っていると、私もそちら方面の窯場やたたら場見学へ出かけて見たくなりました。

名残は尽きず、退席し皆で露地から夜空を見上げると、オリオン座が高い位置にあって夜がすっかり更けていました。




夜咄の茶事から1週間経っても余韻に浸っていましたら、遅ればせながら「ハッ!」と気が付いたことがありました。
それは茶事の間、ひそやかに鳴いていた「うぐいす」のことです。
待合の歌切の「うぐいすの・・・」(和歌を覚えていないのが残念・・・)に始まり、萩焼茶碗に添えられた古帛紗は、開くと一羽の鳥が染められいるバティック、最後の拝見で現れたのは薄器の立ち上がりに描かれていた二羽の鳥、茶杓は紫野・太玄和尚作「初音」でした。

・・・今頃になって、ご亭主の深奥興趣の数々を味わっておりまするぅ(汗)
暗香浮動、梅月の琵琶の音色と鶯の初音が交錯する「夜咄の茶事」を反芻しながら何度も堪能させて頂きました。
ご亭主さま、半東Iさま、ご連客の皆さま、ありがとうございました! 


           梅月の夜咄の茶事に招かれて・・・(1)へ戻る

「花月の会」のお仲間を募集しています

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「花月の会」(仮称)のお仲間を募集しています
                
「五葉会」(七事式の勉強会)とは別でして、花月を初歩から修練する会です。
会の概要が整いましたので、初歩(足の運び)からお稽古する方を若干名募集いたします。
特に資格はありませんが、楽しく回数を重ねて花月を修練して参りましょう。
初めて出逢うお仲間と、初歩から花月之式を学ぶのもまた新鮮で楽しみにしています。 
先ずはメールにて暁庵までお申込みまたはお問い合わせくださいませ。
メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp


                
「花月の会」の概要をお知らせします。
会の名称:花月の会(仮称)
     不肖暁庵がご指導させて頂きます。 (参考:暁庵の茶道教室のHP)
     暁庵社中(花月経験者と初心者)もご一緒させて頂き、5~6名で修練します。

募集人数: 3名様

日時:1年間(5月~翌4月)に全9回、原則第4土曜日(第3土曜日に変更有) 
   13時集合~17時(最長)
  (初回は5月26日(土)6月16日(土)、8月、11月、2月は休会予定)
    
場所:暁庵宅 (横浜市旭区今宿 相鉄線二俣川駅下車)

内容:花月の研鑽(毎回3科目)
   ○ 平花月から基礎をしっかり勉強していきましょう。
   ○ 平花月、炭付花月、濃茶付花月、貴人清次花月、軸荘花月、香付花月、
    投げ込み花月、結び帛紗付花月など
   (2年目に四畳半花月、貴人清次濃茶付花月、茶通箱付花月、茶箱付花月を予定)

会費:1回4千円(内訳:会費3000円+水屋料1000円)
   
期間:5月より翌年4月まで
  (1年ごとの更新:1年後に継続するかを確認いたします。できましたら2年継続できる方)

募集期間:3月10日~3月31日まで(決まり次第、募集を終了させて頂きます)
     
追伸:募集終了についてはこの追伸欄にてお知らせいたします。
   なお、五葉会(七事式の勉強会)の来期の募集はございません・・・ 





素敵なご縁がありますようにお待ちしております  
   
 

弥生の五葉会 in 2018

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 床に「隅田川」(蓼洲画)を掛け、釣釜(雲龍釜)にしました

3月9日(金)は弥生の五葉会でした。
廻り炭之式、結び帛紗花月、昼食をはさんで三友之式の順でお稽古しました。
10時頃に集合し、手分けして炭台、巴半田、筋半田などの準備をします。

廻り炭から始めるので、先ず全員で巴半田の巴の灰形に挑戦しました。
初めて・・・という方もいましたが、こればっかりは実際にやるっきゃない! 
失敗しても火箸で灰をならせば何度も挑戦することができます。
毎日数回ずつやってみると、お好みの巴の灰形が常時できるようになるかも・・・。

もう一つ、2月になると毎年泥縄でやりだすことがあります。
それは左右の手の運動、開いたり握ったり、トレーニング用機器(握り込む)を手元に置いて、握力をつけることを心がけます。
通年で心がければよいのですが、怠け者の悲しさで2月から4月頃、つまり廻り炭が近づくと頑張ります。



札で花(東)が当たりましたが、巴半田や筋半田を持って点前座に座る自信がなく、Hさんに交代してもらい、月(正客)をさせて頂きました。

廻り炭では、点前の順番や炭の取り置きも難しいですが、一番の難関は埋火(うずみび)を成功させることです。
毎回、いろいろ工夫しますが、今回は8時頃(2時間以上前)に炉灰を掻き起して空気を入れてから炭火を置き、湯釜を掛けて灰を温めておきました。
その後、廻り炭の点前が進み、東が埋火を掘り起こし割ってみると、残念!火が消えて黒くなっています。
昨年第1回五事式で成功)した時とほぼ同じようにしたつもりでしたが、炭が少なかったのかしら?
今回失敗したことがとても好い刺激になりました。
もう一度3月末に廻り炭をする予定なので、いろいろ考えて再挑戦したいと思っています。

三友之式は全員で花を生け、香を聞き、花月で薄茶(4服点)を優雅に楽しみました。
まだまだ花が少ない時期ですが、持ち寄ってくださった花が床を華やかに彩り、春爛漫の風情です。


  

  

  


  三友之式

  侘助椿 雪柳       唐銅尊式   一  宗里  三

  こでまり 雪柳 侘助椿  染付扁壺   二  宗悦  四

  木蓮 相模侘助       小岱焼    四  宗厚

  満天星つつじ 白玉椿   備前蹲    三  宗曉  二

  金龍花 雪柳       萩耳付    主  宗智  一 


  
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能「泰山府君」と桜の命

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 横浜能楽堂の舞台にいけられた「桜と松」

ここのところ暖かいですね! 
5月の陽気だそうで、今年の桜の開花が大幅に早まりそうです。
4月8日に”さくらの茶事”を予定しているので、その頃には桜花がどうなることかしら?・・・とやきもきしています。

そんな折、3月10日(土)に「能の花 能を彩る花」第5回「桜」・能「泰山府君(たいさんぷくん)」を見に横浜能楽堂へ行きました。
泰山府君は、道教の聖地である「五岳」の一つ、生死を司る「泰山」への信仰から生まれた神です。
能「泰山府君」は、桜花爛漫の季節を舞台に、万物の生命を司る道教の神・泰山府君に、桜の命を永らえさせてもらおうという願いを歌い上げた曲となっています。
我が願いも同じで、泰山府君に今年の桜の花の命をどうか永らえさせ給え・・・と。


  横浜能楽堂 (横浜市西区紅葉ヶ丘27-2)

2017年(平成29年)は、華道・池坊の開祖と呼ばれる池坊専慶がいけばなの名手として文献に登場してから555年に当たるそうです。
これを記念し、横浜能楽堂では花に関係する5つの能を上演し、次期家元の池坊専好が舞台を花で彩るという企画公演を催しました。

  第1回「菊」 平成29年10月28日(土) 能「菊慈童 酈縣山」(観世流)梅若玄祥
  第2回「紅葉」平成29年11月23日(木・祝) 能「紅葉狩 紅葉ノ舞 群鬼ノ伝」(金春流)金春安明
  第3回「牡丹」平成30年1月13日(土) 能「石橋 大獅子」 (観世流)片山九郎右衛門
  第4回「梅」 平成30年2月10日(土) 能「東北」     (観世流)大槻文藏
  第5回「桜」 平成30年3月10日(土) 能「泰山府君」   (金剛流)金剛永謹

最終回の「泰山府君」は、シテ方五流の中で唯一上演曲としている金剛流でも長らく演じられなかったそうで、1960年に復興されました。
私にとって「泰山府君(たいさんぷくん)」という能の名前も観るのも初めてでした。

既に横浜能楽堂の舞台正面には桜と松が活けられていて、どうやら池坊專好さんが舞台で活けるというパフォーマンスはなさそうです。
第3回「牡丹」の時には白と紅の牡丹を1本また1本と丁寧に石橋の前に活けられていた姿が心に残り、能「石橋 大獅子」への期待がいや増して、能といけばなの新たなコラボレーションを実感したのですが・・・残念!


  京都の紫雲寺頂法寺(六角堂)の白牡丹 (平成30年1月末撮影)

さて気を取り直して、能「泰山府君」のあらすじを記します(パンフ参考)。

桜町中納言(ワキ)は桜の花の命が7日と短いことを惜しく思い、ものの命を司る泰山府君を祀り、延命を祈念しています。
そこに天女(前シテ)が降り立ちました。
天女は、あまりの桜の美しさに、どうにかして一枝持って帰りたいと思います。
しばらく待っていると月が入り辺りは暗くなりました。それに乗じて天女は桜に立ち寄り、ひそかに手折ると、胸に抱えて天上へと帰ります。

そのことに気づいた花守(間、アイ)は、急いで中納言に告げ、泰山府君へ祈るように促します。

やがて、泰山府君(後シテ)が現われました。
泰山府君は通力で天女が桜を折ったことを知ると、天上から天女を呼び寄せます。
すると、天女(ツレ)が桜の枝を持って再び姿を現し、天女之舞を舞い、枝を樹へ戻します。
泰山府君は天女が戻した枝に命を吹き込み、元の通りに接ぎます(舞働)。
そして、花の盛りを愛で、花の命を二十一日まで延ばすのでした。




春になると、美しく絢爛豪華に咲き競う桜に誰でも心奪われます。
けれどもあっという間に散ってしまうはかなさは桜を愛でる人の心を妖しくかき乱します。
桜を一枝折って持ち帰ってしまう天女に大いに共感したり、天女が戻した桜の枝に命を吹き込む泰山府君のおどろおどろした舞にびっくりしたり、21日の延命をうらやましく思ったり、のどかな春を謳歌する舞台を堪能しました。

泰山府君が左右の袂で接いだ桜の枝を覆い、命を吹き込む所作に、思わず「アッ!」と声が出てしまいました。
接いだ枝が再び折れてしまうのでは・・・と心配だったのです。そのくらい舞台と一体になっていました。
大鼓の「イヤッ」という掛け声とともに太鼓や音曲が鳴り止み、泰山府君が舞納めました。



シテやツレの床に吸いつくような足の動きに見惚れ、自分が舞っているようで楽しかった。
ただ、いくつか違和感も感じました。
前シテの天女は金剛永謹、ツレの天女(後半の)は金剛龍謹が演じたのですが、面も衣装も雰囲気もまったく違っているので同じ天女と思えず、何度もパンフを確かめました。
物語的には天女を同じ方が演じた方がわかり易く、二人の天女の違いが違和感として残りました。

それもこれも「桜」の持つ妖気の成せることかもしれませんね・・・・
そう思うと違和感ありもまた良し・・・でしょうか。


  横浜能楽堂近くからランドマークタワーをパチリ


(忘備録)
横浜能楽堂企画講演  能の花 能を彩る花 第5回「桜」
           平成30年3月10日(土) 午後2時開演  
                
  能 「泰山府君」  シテ(天女・泰山府君) 金剛永謹
            ツレ(天女)     金剛龍謹 
            ワキ(桜町中納言)  森 常好
            間(花守)      高野和憲    
        
            囃子方  大鼓  國川 純   太鼓  林 雄一郎
                 小鼓  曽和正博   笛   竹市 学
                 

炉点前の立礼席

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 彼岸桜と椿(源氏車?)を縄文土器花入にたっぷりと・・・
(花は散歩道の途中にある農家の無人販売所で求めたものです)


昨年11月に右膝を負傷して以来、いろいろ考えることがありました。
かねてより「立礼席の時代」と思っていたけれども、右膝の故障もなく点前座での立居ふるまいに何の支障もなかった時には「立礼席」を常時設けることにためらいがありました。

でも、右膝を負傷した時から「立礼席」の必要性を痛感し、回復したら先ず炉でも風炉でもお稽古や茶事が出来る立礼席を作りたいと決めていました。
たとえ正座困難や座れなくなってもお茶の稽古をしたい、お茶を楽しみたい・・・と願う方は、私も含めいらっしゃるのではないかしら?
奥伝は無理かもしれないけれど四ヶ伝まで立礼席で稽古をしたいという方がいらしたら喜んでご指導しよう・・・と思いました。

風炉になると点茶盤のある本来の立礼席で良いと思いますが、今はまだ炉の時期です。
それで、早速いろいろ工夫してみました・・・あれこれ試行錯誤が楽しかった! 
もちろんお金さえ出せば、畳付きの炉点前・立礼卓が売っていますが、現在手持ちの置炉、点茶盤、喫架、椅子などを利用して創ってみたかったのです。

近くのブックオフの家具コーナーで桐製の箪笥引出2個を購入し、炉を置く台としました。
かかった費用は計3000円也。


  現在の炉点前の立礼席・・・・まだ試行錯誤の最中です

なんとか炉の立礼の形が出来たので、茶友を呼んでお茶を点てて喫んで頂き、感想を伺いたくなりました。

「真ん中のテーブルのある部屋で立礼のお点前が炉でも風炉でもできるように工夫しました。
 よろしかったら、3月○○日12時頃に遊びがてらお茶飲みにいらっしゃいませんか? 大歓迎です。
 炉の立礼席はまだ試行錯誤中ですので、実際に使ってみることが大事という段階ですが・・・。
 簡単な昼食を用意して楽しみにお待ちしています・・・暁庵より」




YさまとKさまが茶飲み会へいらしてくださいました。
ちらし寿司、味噌汁、和え物、香の物などをお出しし、昼食後も近況報告などの御話が弾みました。
あまりの楽しさに肝心の薄茶点前がすっかり後になってしまいました。
お菓子は一期(苺)大福(寿々木製)、薄茶は清浄の白(小山園)です。

一服ずつお点てした後に亭主を交代し、Kさまが遠州流のお点前で薄茶を点ててくださいました。
背もたれのある椅子にゆったりと座って、お点前を拝見し、幸福感に包まれながら薄茶を頂戴しました。
このくらいのゆったりさが好ましく思い、もし茶事をするとしたらお客さまは2~3名さまがよろしいかしら・・・。
客席に座ってみると、一際立礼席の有難味や好さが身に染みるようでした。

「Yさま、Kさま、今日はわざわざお越しいただき、ありがとうございました!」 


「春が来た!」茶事へ招かれて・・・その1

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さくらの開花宣言が聞こえ始めた3月17日、Fさんから「春が来た!」茶事へお招きを受け、社中4名でウキウキとお伺いしました。
正客はN氏、次客暁庵、三客Tさん、詰Kさんです。

大岡川の河岸段丘の坂を少しのぼるとFさん宅があります。
風情のある竹垣のある門を一歩入ったところから、前回とは様子が違い、亭主の心配りと進化を感じました。

玄関の小上がりがすっきりと片付けられ、待合が広くなっていました。
玄関の客迎えは春告鳥かしら? 衝立の水墨画は「敷松葉と椿」、きっとご主人の作かしら?
一つ一つにご亭主のおもてなしの心を感じながら身支度をし、待合へ。





待合には「静閑一味友」の短冊、三重県玉瀧寺の明道和尚筆です。
「心静かに友と一服の茶を楽しみましょう・・・」という声が聞こえてくるようです。
詰Kさんが板木を4つ打つと、汲み出しが運ばれてきました。
その日はとても暖かだったので香煎の入った汲み出しで喉を潤し、玄関先の腰掛待合で春風を清々しく感じながら迎え付けを待ちました。
正客N氏が迎え付けの挨拶を受け、蹲踞を使って順次席入りしました。

床には淡々斎の御筆で
「花知一様春」 (花知る一様の春)

長く寒い冬の風雪に耐え、春の喜びを謳い上げるかのように、椿、木蓮、辛夷、彼岸桜などが一斉に咲き揃いました。
この御軸を拝見した時、私には花がご亭主Fさんのように思われたのです。
長年茶道に親しみ研鑽を重ねてこられたFさん、培われてきた経験と知恵が今日の「春が来た!」茶事で開花し、まさに今がFさんの花時・・・と思われたのです。
・・・そして、これからの茶事のご趣向がとても楽しみでした。



初炭になり、釣釜は八代寒雉造の霰棗釜、インパクトのある根来塗の炭斗、豪華な孔雀の羽箒が目を惹きます。
それに青貝梅文様が描かれた拭き漆古材の炉縁がなんとも優雅で、ゆらゆら揺れる釣釜とお似合いでした。
炉に一同近寄って、きっと皆さまは炭手前を稽古中なので、我がことのようにご亭主の炭手前を見詰めたことでしょう。
なごやかにお話しながら炉中の様子を拝見し、湿し灰が撒かれ、炭が置かれ、手前が進んでいきます。
点炭が置かれ、このまま炉辺に居れたら・・・と名残惜しく席へ戻りました。
香合は朝日焼の琵琶香合、香は梅ヶ香、香元は松栄堂だったような・・・とても佳い香りが辺りを払い清める様に満ちていきました。

一生懸命作ってくださった春を感じる懐石を美味しく頂戴しました。
頂くのに夢中で、食べるとすぐに献立を忘れるようになり、困ったものです・・・。
続いて主菓子を頂戴し、先ほどの外腰掛へ中立しました。
主菓子は銘「花遊び」、一口頂くと柔らかく、春(桜)の香りに包まれた道明寺は叶匠寿庵製です。


       「春が来た!」茶事へ招かれて・・・その2へ続く

「春が来た!」茶事へ招かれて・・・その2

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(つづき)
外腰掛で気持ちの良い春風に吹かれ、清談していると銅鑼の音が聞こえてきました。
  大・・・小・・・中・・中・・・大

この音色が一段と味わい深く心に響きました・・・。
正客N氏も感じ入ったようで、我がことのように嬉しいです。

蹲踞を使い、後座の席入をすると、床に花がいけられていました。
レンギョウ、貝母、雪柳、椿が瓢花入に・・・瓢の酒を酌み交わしながら野遊びの趣向のようです。
点前座の水指は黒塗手桶、それだけでも目を惹きますが、春野の花が咲き乱れていました。
春秋蒔絵で後ろ側が秋の七草だそうです・・・イイですね。 
水指前に素敵な仕覆を着た茶入が置かれ、これから濃茶を頂くのが楽しみ・・・の筈でした。
実は2日前から胃腸の調子が今一つで、軽いインフルエンザかもしれません。
それで、薄茶はともかく濃茶は遠慮しようとお願いしていました。



ゆらゆら揺れる釣釜の向こうで、若草色の袱紗が捌かれ、濃茶点前が閑かに始まりました。
リズム好く流れるような点前を見ていると、その心地良さにうつらうつら・・・してきました。
眠い頭の中で「まるでお能みたい・・・」と、そのまどろみを楽しみます。
濃茶が点ち、正客N氏が出ていく頃には目覚めて来たのですから、ほんのひと時のまどろみですが、それだけお席がリラックスしていて、良い気が流れていたのでしょう。

「3人では多いので、どうぞ一口召し上がってください」とN氏。
二口だけ頂戴して「美味しい!」
よく練られた翠色が艶やかな、まったりと甘みを感じる濃茶でした。
「とても美味しく頂戴しました。濃茶は?・・・」N氏と亭主の問答が始まります。
濃茶は金輪(小山園)でした。

肌色に御本のような斑模様のある茶碗は朝日焼、朝日豊斎造です。
斑模様は朝日焼独特のもので鹿の背(かのせ)と呼ばれているとか。
朝日焼といえば宇治市に窯がある遠州七窯の一つですが、琵琶香合といい、朝日焼がお気に入りのようです。
茶入は膳所焼、これも遠州七窯の一つです。仕覆は大好きな二人静緞子でした。
茶杓は小林太玄和尚作で銘「笛の音」、野遊びの楽器に笛も加わったようで、ますます楽しくなりました。




煙草盆、干菓子(蝶と短冊)が運ばれ、薄茶になりました。
薄茶の茶碗が2碗とも魅力あふれ、ご亭主のお心入れを感じました。
主茶碗は深い緑色に春の花や鳥が描かれています。遠目には陶器のようにも見えたのですが、手に取ってみると軽く、乾漆でした。
薄茶を頂くと、見込に金平目のような輝きが現われる不思議な美しさを感じる茶碗です。

主茶碗で全員一服ずつ頂戴してから、もう一碗で二服目となりました。
茶碗は京焼(?)、桜の花が風情好く描かれているのですが、花びらが銀色と青色でした。
その色合いがモダンでもあり、物寂しい山中の桜のようでもあり、2碗とも心に残る茶碗でした。
ここで亭主交代して、KさんとTさんがご亭主と全員に渡るよう薄茶を点ててくださいました。



Tさんは一人でお稽古することが多いので、人前で点てる貴重な経験になったことでしょう。
お点前はKさんとTさんにお任せして、ゆったりとくつろぎ、何とも幸せな薄茶タイムを過ごさせて頂きました。
この楽しさは気心知れた社中の茶事だからこそ味わえたのかもしれません・・・感謝です。

Fさん、お心こもるおもてなしをして頂き、ありがとうございました!

長めの正座や、掃除をちょっと頑張ると足腰がすぐ痛くなってしまう暁庵には
軽やかにお点前や懐石の給仕をされているFさんをとても羨ましく思いました。
今が花時・・・と思って、どうぞお茶事を頑張ってください。

あまりの楽しさに次のお茶事が待ち遠しい思いでおります・・・。


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弥生の教室だより・・・廻り炭と花月

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   横浜市旭区「ふるさと尾根道緑道」にて  3月29日撮影
   (コンビニのおにぎり2個と牛乳を持って行き、花の下でランチしました)


3月28日に廻り炭之式、平花月、濃茶付花月をしました。
3月に入り、五徳をあげて釣釜を掛けました。
できたら五徳の無い今のうちに「廻り炭之式」を体験してほしいと思い、お声掛けをしました。

「廻り炭之式」は七事式の一つで、炭手前の修練を目的とし、一同(東(亭主)を含め5人くらい)順に炭を炉中から上げ、再び炭を置いていきます。
一巡し正客から「炭にてお釜を」という声が掛かると、東は埋火(うずみび)を掘り起こしてその火で炭が熾きるように炭を置き、釜を掛けます。
「廻り炭之式」を一回行うことを「一回」(いっかい)といいます。

偈頌は「端的底看聻(たんてきていにみよにい)」。
意味するところは、炭を継ぐことの極意とは何か、いかに炭を置けば最も火が熾り易く、無駄が無いか、湯の沸く時間、さらに言えば継いだ炭の景色や風情、炭の選び方や掴み方もよく考えて修練を行え・・・ということでしょうか。



「廻り炭之式」だけは事前に役を決めておきました。
東(亭主)はFさん、正客N氏、次客Kさん、三客Tさん、詰Uさんです。
皆が炉辺に座って見つめる中、東から順に炭を置いていきます。
初めての方が多いので、なるべく先の客と違うように置き、炭を複数持てるように・・・とアドバイスします。


 前の客が置いた逆に、筋半田へ点炭から長火箸で取り上げていきます

一順すると、正客N氏から「炭にてお釜を」と声が掛かりました。
亭主Fさんは炭を全部上げ(胴炭は残したまま)、すぐに埋火を掘り起こしました。
(どうかしら? 火が残っているかしら?・・・内心、祈るような気持ちで埋火を見つめます)
・・・でも、Fさんが炭を割るとなんか黒々と見えました・・・

「先生、パチパチという音がしたので吹いてみていいですか?」
息を吹きかけてみると、赤い火が見え始めたではありませんか!
・・・そのまま吹いてもらって下火に使えるよう育ててもらいました。
とりあえず今回の埋火成功です。ヤッタね! 


   真ん中の赤く見える炭が埋火(うずみび)です

再び炉中に湿し灰が撒かれ、炭が置かれ、二度目の香が焚かれました。
薬缶が持ち出され、釜に水が注がれ、茶巾で清められ、釣り釜が掛けられました。
最後に亭主の送り礼で、廻り炭が無事(?)終了です。

それから平花月をしました。終わるとN氏から
「先生、もう一度平花月をやらせてください」と頼もしいリクエストがありました。
昼食後にもう一度平花月、そして濃茶付花月と続きます。
お茶の神様のご配慮で、濃茶付花月ではTさんが月(濃茶を点てる人)の札を引きました。
はじめて5人分の濃茶を点てましたが、とても好い経験になったみたいです。
それにKさんとUさんも花月はほとんど稽古していないのですが、よく頑張りました。

「先生、花月もいろいろあるのですね。
 濃茶付花月は始めてで、なかなか覚えられません」とUさん。
「花月百回おぼろ月・・・という言葉があるくらいだからわからなくっても大丈夫ですよ。
 ゆっくり楽しく修練しながら覚えていきましょうね」
「花月百回おぼろ月・・・素敵な言葉ですね・・・少し安心しました」


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