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Channel: 暁庵の茶事クロスロード
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むらさき茶会ー2

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10月11日は雨のち晴れ、ずーっと晴れだったのに前日夜から雨になりました。
自称・晴れ女のはずだったけれど、神通力が弱まったかしら?

特別な日なので美容院に寄り、着付けと髪結いをお願いしました。
着物は黒地に白鳥が泳いでいる付け下げ、帯は白地の丸帯、丸に松竹梅鶴菊の吉祥文が銀糸金糸で織られています。
いずれも母の形見の着物で、今日は母のお力をお借りしますと・・・・。
「久しぶりに腕が鳴るわ!」
と友人の美容師さんが結ってくださった髪は古風でしとやか、自分で言うのも変ですが・・・新鮮でした。

                    

9時15分頃に茶席会場の隣花苑に着くと、雨が上がって一安心。
9時半集合でしたが、ほとんどのスタッフの方が既に到着していて、それぞれの場できびきびと立ち働いています。
いくつかの確認事項や打ち合わせをしてから私も半東のKさん、Aさんと本席の支度にかかりました。

茶会は二席、それぞれ12名のお客さまをお迎えし、
10時30分からの「あかつき席」は待合、香席、茶席、昼食の順で、
11時30分からの「むらさき席」は待合、昼食、香席、茶席の順です。
複雑な動線なのでHさんとWさんに各席のご案内をお願いし、
暁庵に代わってお出迎えからお見送りまでをお二人に託しました。

            

10時を過ぎると、ちらほらお客さまがお見えになったようです。
受付は暁庵社中のFさん、Kさん、Mさんにお願いしました。
玄関から入ってすぐの囲炉裏のある広い板の間が受付と待合を兼ねています。
豪快と言いたいような、スケール感のある生け花がいつも目を楽しませてくれます。
土間の奥に真っ赤なバラが溢れるばかりに活けられていて、隣花苑の心づくしに感謝です。

                        

                                      

香席は、築600年の母屋で一番人気の、三溪園三重塔が遠望できる部屋で行われました。
香元は、京都へ行く前の三溪園蓮華院の名残の茶会で香席を担当してくださったIさん。
「むらさき茶会のはなむけに、もう一度だけ香席をお願いできませんか」
「・・・喜んでお引き受けいたします」

紅い毛氈が敷かれ、そこに座ったIさんの香のお手前
お客さまが息を呑むように閑かに見つめる中、武家茶を連想するような凛とした所作、
無駄のない手順で灰筋を美しく整えていきます。
香の火加減がとても難しく、きっと小さな(?)胸をドキドキさせてくださったことでしょう。
・・・やがて馥郁とした優しい香りが席を満たし、お客さまからお客さまへ香が回されていきました。

香の十徳(伝・一休宗純作)より
  感格鬼神  清浄身心 (霊魂や神と感応をし、心や身体を清める)

心身が洗われていく様子を想像し、お客さま同志で一体感が持てれば・・・と願いました。
いつも客として香席へ参加したい・・・と思いながら、あれこれ想像を逞しくしています。
Iさんが心を込めて焚いてくださった香木は伽羅、香銘は「紫雲」でした。

                    

余香残る香席で主菓子をお出ししました。
クリーム色と紫色の栗きんとんの掛け分けで、金粉が飾られ、餡にも栗が入っています。
菓子銘「むらさきの里」、隣花苑出入りの菓子屋製(名前が?)、
担当のほすみさんがいろいろ考えて注文してくださって、茶会にぴったり。
Iさん宅で発見した大きな蓋付きの漆器がとても気に入り、菓子器に使わせて頂き、
黒文字の入った自製の紙筒を添えました。
         
香席から秋の庭を眺めながら廊下を通り、茶室へ席入です。

                          

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