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Channel: 暁庵の茶事クロスロード
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八ヶ岳山荘・名残りの茶事・・・(2)

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(つづき)
席入りすると、床の掛物は
「独座大雄峯」・・・紫野黄梅院・太玄和尚の雄渾な御筆です。

この禅語がご亭主N氏の御姿と重なり、吾が心を打ちました。
禅語の持つ本来の意味はよくわかりませんが、
大雄峯・八ヶ岳を仰ぎ見て一人山荘の茶室に坐し、何を思うのでしょうか。
しずかに己をみつめ、自分が自分を取り戻す大切な時間と空間。



お正客Oさんはじめ、お一人お一人と和やかに挨拶を交わし、
「都合により先に炭を置かせていただきます」とご亭主。
点前座はヤツレ風炉の中置、鉄のヤツレと整然と並べられた藁灰の侘びた趣きに感動!です。
10年ほど前に藁灰を使って名残りの茶事をしたことがありますが、藁灰づくりや藁灰を並べるのに費やした膨大な時間と努力を思い出し、頭が下がる思いでした・・・。

釜は姥口糸目釜(橋本辰敏造)、炭斗がう~ん・・・思い出せません。
灰器は亭主お気に入りのいびつな備前焼、大きく重厚な存在感が古武士を髣髴させます。
貴重な青藍の羽箒に目を奪われ、あとで拝見させて頂き、青藍入手のお話に花が咲きました。
香合は木地のどんぐり、まるで山荘の庭先で拾ってきたようでした。


    拝見に出された青藍の羽箒

初炭が終わり、中立してリビングで昼食を頂きました。
「昨年の蕎麦は短かったので、蕎麦打ちを習いにカルチャーへ通い、少し長くなりました」
たすき姿のご亭主と詰Fさんが甲斐甲斐しく働いてくださり、蕎麦と地産の漬物を頂き舌鼓でした。御馳走さま!


 シンプルな献立だけれど、つけ汁(鴨汁?)が絶品です

再び気持ちの良いベランダの腰掛待合で談笑しながら後座の迎え付けを待ちました。




 清風に吹かれ紅葉や黄葉で囲まれた腰掛待合(ベランダ)のひと時
 (陰の声・・・これからが本番、そんなにリラックスして大丈夫?)

銅鑼が打たれ、後入りの合図です。
皆、気を引き締め、つくばって銅鑼の音色を拝聴しました。(つづく)


    八ヶ岳山荘・名残りの茶事・・・(3)へつづく (1)へ戻る

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