初めて・・・「重九の茶事」 その1
9月9日、「重九(ちょうく)の茶事」へお招き頂きました。 ご亭主は暁庵社中のKさん、初めて亭主を務める初陣の茶事(いいなぁ~!)です。 Kさんは暁庵の茶道教室へ入門されてから3年余ですが、その間、客、半東見習い、半東、茶事の懐石までの亭主など、お点前の稽古だけでなく茶事の経験を少しずつ積み上げてきました。 「そろそろ茶事の亭主に挑戦してみませんか?...
View Article初めて・・・「重九の茶事」 その2
(つづき) 「時分どきですので粗飯を差し上げます」とご亭主Kさん。 いよいよ懐石です。 懐石は膳や鉢を持ったまま立ったり座ったり、立ち居振る舞いが大変ですが、羨ましいくらい軽やかでした。 Kさんはお酒を召し上がるので、暁庵にはなかなか出来ない千鳥の盃に挑戦して頂き、お客さまにとっても良い経験になりました。...
View Article初めて・・・「重九の茶事」 その3
後座の床の花(黄色の小菊と矢筈ススキ) (つづき) 銅鑼の音で後入りすると、「九日舟中」の御軸は釣り舟花入(韓国の杼)に変わっていました。 舟で揚子江(長江?)を下るのでしょうか? ・・・そう思うと、黄色の小菊が舟中で寄り添い、秋の風情を楽しむ主客一同のようにも見えてきました。 中立の時に心配だった火相と湯相も調っていて、水屋の3人で力を合わせたことでしょう・・・。...
View Article充電中です・・・篠田桃紅さんの本
秋雨前線が停滞し、関東では天候不順のこの頃です。 ブログ「暁庵の茶事クロスロード」の読者の皆さま、お変わりありませんか? 9月に入り、台風21号さらに北海道地震と天地を揺るがす出来事が続き、被災された方は如何ばかりにお過ごでしょうか。 心配するだけで何もできない自分がもどかしい思いですが、心からお見舞い申し上げます。...
View Article雨の隣花苑と三溪園へ・・・(1)
玄関の大壺に生けられた柿の木 隣家苑の庭・・・こぼれ萩が雨に濡れて 9月に入り、雨ばかり続いています。 9月21日(金)も朝から雨でした。 むらさき茶会以来3年ぶりに五葉会のお仲間6人で隣花苑へ繰り出しました。 9月に限って出される名物の蓮華飯がお目当てで、皆、7月から楽しみにしていました。 雨の日にふさわしく、古民家の玄関には蓑と傘が掛けられ、大壺に生けられた柿の木が目を惹きました。...
View Article雨の隣花苑と三溪園へ・・・(2)
雨に打たれるハスの葉が物悲しく・・・ (つづき) 久しぶりの三溪園は雨のせいで人気もなく静かでした・・・。 雨に打たれるハスの葉と台、池面をたたく雨音、もやっている孤舟が物悲しく、三重塔をバックに撮ってみました。 雨の三溪園も静寂に包まれてステキです! 滝口入道と横笛の悲恋を物語る「横笛庵」の前を通り、「旧矢箆原家(やのはらけ)住宅」を見学しました。...
View Article2018年 長月の教室だより・・・許状式
アップが遅くなりましたが・・・2018年9月22日に許状式をしました。 Kさんが上級(行之行台子(ぎょうのぎょうだいす)、大円草(だいえんのそう)、引次(ひきつぎ))の許状を、 Tさんが中級(茶通箱(さつうばこ)、唐物(からもの)、台天目(だいてんもく)、盆点(ぼんだて)、和巾点(わきんだて))の許状を拝受しました。 誠におめでとうございます!...
View Article茶室披きの茶事へ招かれて・・・その1
立礼席(腰掛待合)に掛けられていた鳥獣戯画のような「叢虫夜行図」(毛利梅友) 台風24号が関東地方に襲来しそうな9月30日、小堀遠州流のTさまの茶室披きの茶事へお招き頂きました。 「茶室のある家にご縁があって引っ越すことになりました。 その茶室は地下にあって急な階段を下りていくと・・・」...
View Article茶室披きの茶事へ招かれて・・・その2
躙り口から席入りしました (つづき) 躙り口から席入りすると、床に「無事」と書かれた御軸、紫野徳禅寺の橘宗義和尚の筆です。 点前座に進むと、仕付け棚に茶入が飾られていて、朝鮮風炉が置かれています。 座が静まると、お詰のYさまが「エッヘン!」と咳払いしました。 (この「エッヘン!」が何とも言えぬ貫録と緊張感があって心に残りました・・・)...
View Article第6回お茶サロン「秋いっぱいのベランダ茶会」・・・その1
「秋いっぱい」の待合の床・・・活ける人も活けられる草花も生き生きとして 10月8日(月・祭)に第6回お茶サロン「秋いっぱいのベランダ茶会」を暁庵宅で開催しました。 ブログで募集した時から、どのようなお客さまがベランダ茶会へおでましくださるのかしら? とワクワクドキドキお待ちしていました。...
View Article第6回お茶サロン「秋いっぱいのベランダ茶会」・・・その2
(つづき) 銅鑼の合図で蹲踞をつかい、ベランダ茶席へ席入りして頂きました。 試行錯誤中の茶席の設えですが、今回は丸いテーブルを点前座に使い、風炉釜と棚を置きました。 薄茶をたっぷり差し上げたかったので、織部紅鉢に桐文真形釜(敬典造)を選びました。 棚は煎茶用の円相棚、水指は高麗青磁、中棚に仕覆に入った薄器と金綸寺、天板に柿と烏瓜を荘りました。...
View Article第6回お茶サロン「秋いっぱいのベランダ茶会」・・・その3
茶会が終わり、淋しくなってしまったベランダ (雨が降りそうだったので、急いで店じまいしました) (つづき) ベランダ茶会が終わり、何やら淋しい気持ちで茶会のあれこれを想い出していると、 5人のお客さまから嬉しい後礼の手紙やメールを頂きました。 ありがとうございます! お手紙やメールでたくさん元気を頂戴したので、「次回のベランダ茶会を開くエネルギーにしたい!」 と懲りずに思っています。...
View Article北欧デザイナーによる茶碗・・・展覧会『SKAL―うつわで乾杯』
10月5日(金)、ブログで紹介した展覧会「北欧デザイナー20人による茶道具『SKAL―うつわで乾杯』」へ行ってきました。 その日は14時から山本由香さんのトークショーがあるというので、五葉会の宗里さん、宗悦さん、宗真さん、宗厚さんとスウェーデン大使館(港区六本木)へ繰り出しました。 トークショーの山本由香さん(Swedenstyle(スウェーデンスタイル)代表)...
View Article八ヶ岳山荘・名残りの茶事・・・(1)
(天気にも恵まれ、八ヶ岳の雄峰に抱かれての茶事でした・・・) 2018年10月28日、N氏のお招きで八ヶ岳山荘・名残りの茶事へ出かけました。 昨年10月に続いて2度目のお招きですが、今年は10月25日にスウェーデンから来日した特別社中のOさん(お正客さま)、昨年用事で涙をのんだTさん、新しく入門されたKTさんが加わり、Kさん、Uさん、Fさん、暁庵の総勢7名になりました。...
View Article八ヶ岳山荘・名残りの茶事・・・(2)
(つづき) 席入りすると、床の掛物は 「独座大雄峯」・・・紫野黄梅院・太玄和尚の雄渾な御筆です。 この禅語がご亭主N氏の御姿と重なり、吾が心を打ちました。 禅語の持つ本来の意味はよくわかりませんが、 大雄峯・八ヶ岳を仰ぎ見て一人山荘の茶室に坐し、何を思うのでしょうか。 しずかに己をみつめ、自分が自分を取り戻す大切な時間と空間。 お正客Oさんはじめ、お一人お一人と和やかに挨拶を交わし、...
View Article八ヶ岳山荘・名残りの茶事・・・(3)
(つづき) 後座の床を拝見して心を打たれました。 秋を彩る野の花が露に濡れて、ハッとするほど生命の輝きを放っています。 竜胆、照葉、赤い実は真弓でしょうか?猿捕茨でしょうか? さりげなく掛けられている魚の花入にも心惹かれます。李朝でしょうか? 点前座に廻ると、細水指(なんと憧れの古丹波・種壺・・・う~ん!)と茶入が置かれていました。...
View Article播磨・コルトレーン茶会・・・その1
姫路公園(姫路城)内にある好古園にて (2018年11月2日撮影) 11月2日、播磨在住のKさんのコルトレーン茶会へお招き頂きました。 2年半ぶり・・・6回目(だと思う。詳しくは最後に・・・)の訪問です。 回数を重ねる訳は2つあります。 1つは、Kさんの茶会がとても素晴らしく、参席すると、日頃貯めこんでいた虚栄心、慢心、迷い、自己嫌悪などの塵芥が洗い流され、...
View Article播磨・コルトレーン茶会・・・その2
庭の石のテーブルとベンチへ続く露地 (つづき) いつのまにか日は落ちて、腰掛待合の石のテーブルには蝋燭が灯っています。 山の中で夜を過ごしているような心持で、迎え付けを待ちました。 後座の席入りをすると、一層暗くなった茶室の床には花が生けられていました。 照葉、椿、小菊・・・そして垂涎の花入と古い板切れの花台・・・四方花入は一目で揖保川焼・池川みどり作とわかりました。...
View Article東寺の畔・炉開きの茶事へ・・・その1
仁和寺の紅葉をパチリ (2018年11月5日撮影) 京都在住の折、共に自主稽古に励んだ茶友Yさまの茶事にお招き頂きました。 播磨・コルトレーン茶会の後にスウェーデンから帰国中のOさんとFさんをお連れしたく茶事をお願いしたのです。 月釜の開催でお忙しいにもかかわらず快諾してくださり、心から感謝しています。 京都を離れてからYさまの茶事は4年ぶりでしょうか?...
View Article東寺の畔・炉開きの茶事へ・・・その2
仁和寺の紅葉をパチリ (2018年11月5日撮影) (つづき) 懐石の後に主菓子を頂き、待合へ中立しました。 主菓子は手づくり、下から水色、緑、ピンク色に染まる竿もので、銘「竜田川」・・・頂戴するのが惜しいような風情でしたが、しっかり頂きました。 銅鑼が打たれ、後座へ席入りすると、床の御軸「壽」は炉開きの花に変わっていました。 掛け花入に紅色の嵯峨菊とツワブキが清々しくいけられています。...
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