訪れる人も絶えなむ野良みちに
競い舞い散るよしのとしだれ
4月10日(日)、社中のNYさんから五事式の茶事にお招きをいただきました。
五事式の茶事は4年ぶりでしょうか、ご案内の手紙を嬉しく拝読しました。
数日はすっかり春めいて
花だよりの聞かれる頃になりました
暁庵先生におかれましてはご健勝のことと存じ上げます
テレビからは目をおおいたくなるような情報のあらしに
「一椀からピースフルネス」を願うこの頃です
この度 五事式の茶事を行いたくご案内をさせていただきました
五事式の茶事 初挑戦ですが 先生からいただきました貴重な資料をもとに
自分なりに組み立てをしているところです
先生のご指導と日ごろお世話になっている皆様方のお力をいただきながら
和やかな中に花月の精神を感じるひとときがもてたらと思っています
左記の如く謹んでご案内申し上げます かしこ NY
茶席「加藤」(横浜市中区石川町)で行われ、4月10日(日)11時の席入でした。
正客は不肖暁庵、次客はN氏、三客はKTさん、詰はYYさん(ご亭主の茶友)です。
半東はM氏、廻り炭や廻り花、香の準備、濃茶の各服点などさり気なく、されどしっかり務めてくださいました。
いつもの茶事のように詰YYさんが板木を打つことから茶事が始まりました。
すぐに半東M氏が汲出しを運んで来て、爽やかな香煎が乾いた喉を潤します。
待合の色紙は「弄花香満衣」です(カメラを忘れまして、思い出すままに記します)。
四人で腰掛待合で静かに待っていると、ご亭主がお出迎えくださり、蹲で心身を浄め、席入しました。
床のお軸は「柳緑花紅」、前大徳・佐藤朴堂師のやわらかい中に力強さを感じる御筆が印象に残りました。
明日のことはどうなるのか、コロナウイルスやウクライナ侵攻はどうなるのでしょうか、
そのような昨今であっても季節は巡って春爛漫となり、柳は緑に芽吹いて風になびき、花は紅に咲き匂っている・・・皆で集い五事式を行える幸せを噛みしめました。
4月にふさわしく透木釜(竹文)が掛かり、透木は宗旦好みの桐でしょうか。
棚は更好棚、水指は桶川、素敵な棗が莊られていて、後座の拝見が楽しみです。
ご挨拶の後、五事式の一番の楽しみの廻り炭が始まり、灰が調えられている炉を皆で囲みます。
ご亭主が残り火を巴半田に上げ、その中から一つを選び、埋火にしました。
ご亭主が目いっぱい置いてくださった炭を暁庵(正客)が長火箸で上げ、今度は火箸で炭をついでいきます。
最初からどうかしら?と思いつつ、鳥居をイメージして炭を置いてみました。廻り炭は炭手前の修練なので、複数の炭を持つように、火がしっかり熾るように、釜底がつかないように、されど風情や個性を感じるように・・・と考えながら行います。
最初から話題提供(?)したので、皆様あれこれ考えて炭を置いてくださったようです。
五事式で久しぶりの廻り炭、あれこれ和やかに(賑やかに?)意見交換しながら皆で楽しみました。
一順したので「どうぞ炭にてお釜を」と声を掛けます。
ご亭主がすぐに埋火を取り出したのですが、残念ながら埋火は消えていて、半東M氏が巴半田を運んで来てくれました。埋火から火を熾すのは難しいのですが、今回もう~ん・・・とても残念!
定法通リ炭がつがれ点炭で席へ戻ると、しばらくしてパチパチと言う音がしてきたので一安心です。
香合は屋形船が浮かんでいる隅田川香合、五事式中ですが能「隅田川」を思い出していました。香は梅ヶ香(薫玉堂)です。
五事式の茶事へ招かれて・・・(2)へつづく