(野良みちの枝垂れ桜が満開でした)
廻り炭が終わると懐石になり、ご亭主NYさんが軽やかにお膳を運んでくださって、膝が悪い暁庵はうらやましいです。されど、食べることだけは一人前なので、茶席「加藤」ご自慢の懐石をたっぷり賞味しました。焼物、炊き合せ、和え物が鉢ではなく各皿で出され、コロナウイルス禍でのご配慮でした。
主菓子(打出庵大黒屋製)を美味しく頂いたのですが・・・今だに中身が空白?です。
(茶席「加藤」の露地と躙り口)
後座は廻り花から始まりました。皆で持ち寄った花が載せられた花台が運び出され、亭主一礼ののち、最初に花を入れさせていただきました。花房のついたアケビと紅い椿を経筒のような茶色の陶器花入に生けました。
炉と風炉の花が入り混じっている花台からどんな花が選ばれるのか、興味深かったのですが、炉の花の椿を選んだ方が多かったです。
花と花を選ぶ人との出逢いの一瞬を廻り花之式として五事式へ組み入れた先達に思いを馳せました。
最後にご亭主が生けたのを見て、「どうぞお水を」と声を掛けました。
(茶事後に持ち帰った花を玄関に飾ってみました)
次は香です。香についてはいろいろな仕方がありますが、先ずは「花月風雅集」の記載通りにやることとし、香元は正客(暁庵)です。最後に気持ちを集中して香を聞くと、甘くやわらかな微香に安堵し癒されました。
各服点の濃茶となり、ご亭主NYさんと半東M氏が心こめて練ってくださった濃茶を黒楽茶碗(桧垣青子作)で味わうと、薫り好くまろやかで美味しゅうございました。濃茶は喜雲(丸久小山園)です。
次客N氏は小井戸茶碗(杉本貞光作)、次客N氏と茶碗を交換して拝見しながら和やかに濃茶が終わりました。
「薄茶は花月でいたします」とご亭主から挨拶があり、客一同帛紗をつけ四畳半へ入りました。
点前座の邪魔にならない所へ各服点茶碗の盆が運ばれると、半東M氏にも花月へ入ってもらい、全員が薄茶(菓子付)をいただきました。干菓子は薄焼き煎餅と蕨です。
仕舞い花が半東M氏に当たり、お道具が拝見に出されました。びっくりするほど軽い肩衝茶入に心惹かれましたが、高取焼で鬼丸碧山造でした。
(茶事後に持ち帰った花を玄関に飾ってみました)
一二三之式になり、亭主側だけでなく客側も合わせて評価することや、「客」札の意味などをお話しし、札を選び折据に入れました(結果はナイショです)。
早や最後のご挨拶となり、皆で気持ちを合わせて一座建立した五事式が終わってしまいました。
終始なごやかにスラスラと運んだのはご亭主NYさんと半東M氏の修練と準備の賜物だと感謝しています。
お招きいただき、本当に楽しゅうございました。ありがとうございます!
来年も五事式の茶事を皆で楽しめたら・・・と願っています。
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